ラーニングエッジ・清水康一朗社長
2005年からセミナーに関するポータル(玄関)サイト「セミナーズ」を運営しているラーニングエッジ。受講希望者は、サイト上で目当てのセミナーをすぐに探し出し、申し込めることから、「アマゾン・ドットコムのセミナー版」として経営者や個人事業主から高い人気を集めている。グローバル化やIT化で経済環境が激変し、セミナーに関心を持つビジネスパーソンが増える中、清水康一朗社長は「学びの機会を流通させるのが当社の使命」と一層の浸透に意欲をみせる。
--なぜセミナーズを始めたのか
「自分自身がビジネスセミナーによく通っていた。しかし、目当てのセミナーを探すのが難しく、友人からの紹介に頼るしかなかった。ホームページ(HP)から探すにも情報がなく、とっかかりが得られなかった。一方、セミナー主催者は集客に苦労していた。HPやチラシで告知するにも、その制作に膨大な手間やお金をかけていた。そうした受講者と主催者の溝を埋めたかった」
--運営モデルは
「受講料の5~15%をいただく完全成功報酬型で、あとは広告料が当社の収益だ。主催者にリスクはない。現在の会員数は7万人以上、登録されたセミナーの数は年間2万弱に及ぶ」
--セミナーのニーズは
「拡大している。IT化やグローバル化でサービスや製品の寿命が短くなる中、最新情報の入手がより重要になっている。“ライブ感”のあるセミナーが求められている」
--人気のセミナーは
「個人がブログやフェイスブックを活用してモノやサービスを売れるようになる中、マーケティング関連セミナーの人気が高まっている。一方でコミュニケーション関連も人気だ。マーケティングが自動化されている分、コミュニケーションの機会が減っているからだ」
--ポータル運営の一方で、自らセミナーや講演会を主催している
「世界トップレベルの時代を超える知見を届け、世界を豊かにするのが目的だ。4月には、人のパフォーマンスを最大化する成功哲学を説くアンソニー・ロビンズ氏の講演会を日本で初めて開き、6000人を集めた。9日には来日記念本も出版される。クリントン元米大統領や、元プロテニス選手のアンドレ・アガシ氏が彼のコーチングを受けている。11月14~16日には、投資家のジム・ロジャーズ氏や経営コンサルタントのトム・ピーターズ氏を招き、大規模なビジネスセミナーを開催する」
--今後の目標は
「学びの対象分野を広げる一方、東京・西新宿の本社内にあるキャンパスと同じものを全国各地に展開したい。当社は(講師と)直接会って学ぶことを重視している。(会って)感情が変化しなければ、本当の意味での知識や情報の吸収には結びつかないからだ」(井田通人)
【プロフィル】清水康一朗
しみず・こういちろう 慶大理工卒。1998年キャリアリンク入社。デロイトトーマツコンサルティングを経て、2003年4月ラーニングエッジ設立。静岡県出身。40歳。
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【会社概要】ラーニングエッジ
▽本社=東京都新宿区西新宿8-4-2 野村不動産西新宿ビル4階
▽設立=2003年4月
▽資本金=3420万円
▽従業員=約20人
▽事業内容=セミナーのポータルサイト運営など
「フジサンケイビジネスアイ」