水産養殖の急速な拡大により今後2〜5年で水産養殖産業は飼料の供給不足に直面
水産養殖の急速な拡大により、今後2〜5年で水産養殖産業は飼料の供給不足に直面
魚粉や魚油に代わる飼料は重要な事業機会となる (ラックスリサーチ調べ)
2015年7月16日 – 新エネルギー、素材・化学品、ライフサイエンス分野における先端技術を専門とする米調査会社ラックスリサーチ(本社:ボストン、社長:デニス・フィルビン、www.luxresearchinc.com)では、水産養殖市場に関する技術イノベーション動向調査を実施しました。
世界的な魚介類消費の増加を受け、水産養殖産業は昨今急速に成長しており、1,700億ドル市場に達しました。そのため、水産養殖事業で飼料として用いられる魚粉や魚油は2016年にも供給不足となり、2025年時点では1,600万メトリックトン規模の需要過多となります。このような供給不足は 植物性たんぱく質、藻類や昆虫などを原料とした代替飼料生産に取り組む技術開発者にとっては大きな事業機会となります。
魚粉や魚油は水産養殖産業にとっては不可欠であり、需要は年間8%増加しています。2025年時点では魚粉の需要は現在の倍となり、100万トン相当の高たんぱく質代替飼料が必要となります。
ラックスリサーチのアナリスト、サラ・オルソンは、『水産養殖における魚粉供給不足は代替飼料にて事業機会をもたらす(“Tightening Fish Meal Supply Creates Opportunities for Aquaculture Feed Alternatives”)』と題した調査レポートにて次のように指摘しています。
『これまでは魚粉が水産養殖向け飼料として利用されていましたが、将来的には代替成分の利用が増加し、一種類の原料が飼料市場を独占するということはなくなります。しかしながら現時点では費用、栄養面、生産量の観点から代替飼料には多くの課題があり、これらを克服することに注力して事業機会をとらえていくことが重要となります。』
ラックスリサーチでは、水産養殖産業向け魚粉、魚油の生産量の推移を調査し、また今後利用増加が見込まれる代替飼料を分析・評価しました。以下が調査結果の一部です。
• 魚粉の価格は2000年時点から4倍へと高騰。魚粉および代替豆粉はいずれもより高価なたんぱく質源となってきています。魚粉価格は2000年以降4倍まで増加し、現在も年間10%の価格高騰が続いています。豆粉は2007年以降に倍へと増加しています。
• 飼料ニーズとして3種類の魚介類が4割を占める。世界的な魚介類消費の4割をエビ、ティラピア、鮭が占めており、次いでマス、ナマズ、鯉などの魚類や甲殻類が占めています。
• 魚粉の代替飼料の大半は利用され始めたばかりで普及が進んでいない。昆虫類のたんぱく質、廃棄物再利用、藻類などは生産量が少なくコスト高であり、消費者の間にも抵抗感があることから水産養殖向けたんぱく質源としては現時点では非現実的です。
『水産養殖における魚粉供給不足は代替飼料にて事業機会をもたらす(“Tightening Fish Meal Supply Creates Opportunities for Aquaculture Feed Alternatives”)』レポートはラックスリサーチの『Agro Innovation』インテリジェンスサービスにて提供しております。
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