【プレスリリース】
エネルギーストレージ市場は2020年までに500億ドル市場へと成長(ラックスリサーチ調べ)
プラグインカーでの利用増加に伴い運輸分野のアプリケーション市場は210億ドル市場へと拡大、エレクトロニクス分野(270億ドル)へと追いつく規模へと成長
2014年7月17日 – 先端技術を専門とする米調査会社ラックスリサーチ(本社:米国ボストン)の調べによると、エレクトロニクスやプラグインカーで主に利用されるエネルギーストレージは2020年までに年間平均成長率で8%、市場規模としては500億ドルへと成長することが分かりました。
運輸分野のアプリケーションは2020年時点でエレクトロニクス分野を大きく上回る11%の年間平均成長率を遂げ、210億ドル市場へと成長する見込みです。ただし市場規模としてはエレクトロニクス分野が最大で270億ドル、また低価格化を待つ固定型アプリケーション分野は28億ドル市場となります。
運輸分野においてはアイドリングストップ技術の進化がエネルギーストレージ市場に大きな影響を与えます。2020年時点でマイクロハイブリッドは世界レベルで販売台数5900万台、年間売上61億ドル、市場シェアでは53%と、通常の内燃機関エンジンに取って代わり、ドライブトレインとしては中心的な位置付けとなります。
ラックスリサーチのアナリスト、コズミン・ラズラウは、『500億ドルのエネルギーストレージ市場にて事業機会を見出す(“Finding Growth Opportunities in the $50 Billion Energy Storage Market”)』にて、次のように指摘しています。
『自動車市場はコンシューマエレクトロニクスに代わりエネルギーストレージの主要市場となりつつあります。それに合わせ、製造規模の拡大と低価格化が行われるため、固定型アプリケーション市場にも大きな影響を与えます。』
ラックスリサーチでは成長が著しいエネルギーストレージ市場における事業機会を分析しました。以下が調査結果の一部です。
• 運輸分野では電気自動車が最大の事業機会。5900万台の販売台数を誇るマイクロハイブリッド車と比較すると販売台数は44万台と少ない電気自動車ですが、市場規模は63億ドルと、エネルギーストレージ事業にとっては重要な市場です。電気自動車販売数としては米国が2020年まではトップの座を占めるものの、2019年には16万7000台の販売台数がピークに達し、以降は奨励金給付がストップすることで販売台数が減少し、2020年は14万8000台となる見込みです。中国は2020年時点で14万5000台と米国に追いつきはじめます。
• エレクトロニクス分野ではスマートフォンが最大の事業機会。人気が衰えないスマートフォンですが、バッテリ容量も増加し、2020年までに年間平均成長率では12%の成長を遂げ、84億ドル市場となります。タブレットは年間平均成長率では6%、120億ドル市場となり、アプリケーション別エネルギーストレージ消費量としては最大となります。それとは対照的に、フィーチャーフォン、ノートパソコン、電子書籍リーダー向けエネルギーストレージ市場は縮小し、またウェアラブルデバイス市場も期待されているほどの急速な成長には至りません。
• 一般住宅向けが固定型アプリケーションでは最大の市場。太陽光発電の導入増加により、一般住宅向けのエネルギーストレージが固定アプリケーションでは最大となます。活発なソーラーパネル設置事業と金融サービスの充実、またドイツや米国では規制による後押しなどを受け、現在の1億ドルから2020年には12億ドル市場まで成長します。無停電電源装置(UPS)、バックアップ向けアプリケーションはその次に重要な市場となり、2020年までに7億ドルの市場となります。次いで再生エネルギーは公益事業へとシフトしていき、同市場は3億ドル市場へと成長します。
『500億ドルのエネルギーストレージ市場にて事業機会を見出す(“Finding Growth Opportunities in the $50 Billion Energy Storage Market”)』はラックスリサーチの『エネルギーストレージ』インテリジェンスサービスにて提供しております。