株式会社SOBAプロジェクト を傘下に置く 売れるネット広告社グループ社長CEO   植木原宗平 氏

チーム経営でグループ力を強化、企業価値向上目指す

SOBAプロジェクトを傘下に置く持ち株会社、売れるネット広告社グループが2027年7月期、新たなスタートを切った。創業者の加藤公一レオ氏が26年7月31日付で取締役を辞任、同年1月に代表権を引き継いだ植木原宗平社長CEOを中心とするチーム経営に移行した。これまで推し進めたM&A・新規事業の立ち上げ効果を最大限に発揮し、企業価値の向上に取り組む。「第2フェーズ入りを(グループを)変えるチャンス」と言い切る植木原氏は「14社に増えたグループ企業が独立して収益力向上に注力することは勿論だが、14社の連携を強めシナジー効果によってグループ力を高める」と強調。14社の「足し算」ではなく。「掛け算」で2年後には売り上げ100億円(今期比2倍)を目指す。

――創業者の引退、新経営体制の移行という第2フェーズに移行した
外から見ると、加藤氏は売れるネット広告社グループの顔であり、加藤氏の会社だ。強い存在感をもち、卓越したマーケティング力と強いリーダーシップ、カリスマ性で組織を牽引してきた。それにより培われた企業文化、すなわちスピード感やクライアント(顧客)ファーストの考えは引き継ぐ。創業以来築いてきたブランドは残すほうがいい。一方で、この2年間で8社を買収したことで事業領域がシステム開発、AIなどにも広がり、異なる企業文化で育った社員が集まることで人材の多様化も進んだ。このため、これまでのように個人の力で成長するのは難しくなった。これからはチームと仕組みでグループを動かし、成長する経営に移行する。
――グループ力を高めるために変えたことは
経営理念を「マーケティングの力で、人と企業の可能性を開花させ、ともに成長を実現する」に変えた。これまでの理念は、祖業である売れるネット広告社のもの。M&Aにより新たな会社と社員が加わった。誰から見ても同じ思いを持てるのが理念だ。以前のものではグループの統一感を出すのが難しい。グループはマーケティングを軸に集まっており、多様な人材が受け入れられる理念に変えた。事業領域が広がる中で、改めてグループ全体のマーケティング力を高めていくことが重要だと考えている。原点であるマーケティングを軸に、顧客を成功に導く力をさらに強化していく。
――今後もマーケティングに注力していくのか
マーケティングを軸に顧客の商品・サービスを売れるようにするのは変わらない。そのためM&Aには今後も力を入れる。買収基準はシンプルだ。一つはグループのマーケティング力を強くできる会社。つまり顧客の「売れる」力をつくるために、我々がまだ持っていない機能を持つ会社を買収する。足りないピースを補うM&Aといえる。二つ目はグループのマーケティング力で伸びる会社。売れる商品やサービス、技術を持ちながらマーケティング力が弱く成長しきれない、言い換えると成長余地を十分に残す会社を加える。M&Aは引き続き重要戦略と考えており、グループの規模拡大に合わせて、これまでより規模が大きい買収案件(売上高10億~50億円)も視野に入れる。
――M&A・新規事業立ち上げ効果は
26年7月期の連結業績は売上高16億4000万円(前期は15億6700万円)、営業損失5億3000万円(同1億6600万円)、最終損失11億700万円(同4億4400万円)となった。既存事業で計画に届かなかったり、M&Aや新規事業への先行投資が想定以上に膨らんだりしたほか、資産の見直しなどにより赤字幅が拡大した。しかし、27年7月期は売上高50億円、営業利益2億円と黒字転換を見込む。この2年間のM&Aや新規事業が連結業績に通期で寄与するとともに、既存事業の収益性改善も見込めるためだ。27年7月期はこれまで投資してきたものを実際の売り上げと利益に変える。ここからが新たなスタートであり、地道に実力を積み上げていき、2年後には100億円を稼げる事業体を目指す。
――そのために必要なのがチーム経営ということか
強いリーダーシップを持つ創業者のマネをしても経営は成り立たないし、私一人の力で顧客を獲得できるわけでもない。グループ14社が独立して収益向上に努めることが何よりも求められる。そのために各社トップに権限委譲しており、信頼して任せている。ただ各社とも「自社が一番大事」と考えがちなので、「グループ全体としてどうすれば利益を最大化できるか」という視点で経営できるように横の連携を進めていく。14社をつなぎ、各社の顧客、サービス、人材、技術などを掛け合わせる。このため各社トップや事業責任者が定期的に集まり、意見交換したり、グループとして意思決定したりする機会を設ける。他社の良いところは互いに取り入れ、顧客も紹介しあう。組織力を高め、グループシナジーの向上を目指すためだ。
――M&Aなどで多様化した人材の融合も求められる
いろいろな企業文化で育った社員が集まった。それだけ強い人材がそろったともいえる。持ち株会社は多様な人間性を受け入れる箱だ。「結果を出す」が大前提だが、そのうえで柔軟な働き方を認める。各社の企業文化は大事にしたいので、運用は任せる。社員同士もそれぞれ、違う生き方・働き方の考えをもつ人材と触れ合って、自分の考えの甘さなどに気づくきっかけになればいい。緩い組織は成長につながらないので、結果はシビアにみる。第2フェーズ入りを、グループを変えるチャンスととらえている。大変だが、乗り越えると面白い未来が見えてくる。各社トップと社員のそれぞれをまとめるのが私の役目と考えており、ガバナンス強化と人材の育成・登用、情報発信のあり方も改善・強化していく。

植木原 宗平(うえきはら・しゅうへい)
売れるネット広告社グループ株式会社 代表取締役社長CEO

福岡県出身。中央大学卒業後、大日本商事株式会社に入社し、経営管理・財務領域を担当。その後、JR九州高速船株式会社でバックオフィス全般を経験し、税理士資格の勉強を開始。アクセンチュア株式会社でBPOコンサルタントとして業務改善・自動化プロジェクトに従事した後、freee株式会社に入社。カスタマーサクセスとして税理士事務所向けの支援を行う。

2019年、売れるネット広告社に入社。入社9ヶ月でCFOに就任し、管理部門の立ち上げ、上場準備を主導。2023年10月の上場を経て、2026年1月に代表取締役社長 CEOに就任。

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