ベル特許事務所 所長・弁理士 嶋 宣之氏
ーー現在、力を入れているサービスについて
「開発経営」と名付けたコンサルティングサービスで、簡単に言うと「社長の考えているビジネスモデルを見える化」するサービスです。 特許というのは、単体で取っても機能しません。ビジネスモデル全体の中で特許というものを位置付けないと利益に繋がらないわけです。その例が、2012年10月19日に日経新聞に発表された電気機器業界の企業が保有する特許資産を質と量から評価した「電気機器業界特許資産の規模ランキング」では、1位がパナソニックで、2位が東芝、3位が三菱電機、4位がシャープでした。(出所:パテント・リザルト(東京・台東)調査データ)売上げと特許資産が必ずしもイコールではありません。特許自体、それぞれの企業が持つ「知的財産」のひとつに過ぎません。
「特許」というのは、実は、マネを奨励する制度なのです。自社で開発した技術は、どの企業もできれば隠しておきたいものです。しかしながら技術の進歩というのは、モノマネから始まり、改良を重ねて発展していくものです。そこで、「独占権を与えるから、その代わり、開発した技術を隠さないでみんなに教えてあげましょう」それが特許という制度なのです。特許取得を希望される企業の経営者と面談すると、ほとんどが一番下の土台となる「企業文化」に気付いていません。この部分を土台にしたビジネスモデルを「見える化」することで、 製品開発のテーマがクリアになったり、適切な課題が見つかったりします。その結果本来するべきことが見えてきて経営がスムーズになります。この好循環をつくるお手伝いが新サービスの「開発経営」で、ここに力を入れていきます。
「フジサンケイビジネスアイ」