【35歳からの転職ウラ事情】(3)共通スキルに着目せよ

□ルーセントドアーズ社長・黒田真行氏

「キャリアが特殊なので、なかなか転職先が見つからない」

40歳前後のビジネスパーソンの転職相談にありがちな悩みの一つです。1月にお会いした42歳の方はまさにその典型。「精密部品メーカーで、20代は営業として新規顧客を開拓。30代から経理に移り、過去5年間は管理部長として財務・経理・人事などを担当しながら、社長の代行で全国の支社に出向き、経営方針を膝詰めで伝えていく役割もしてきた」。経営者から信頼され、八面六臂(ろっぴ)の活躍をされてきた方でした。

それでも「今さら未経験の領域はありえない。経験を生かしたいが転職先が見つからない」という現実。しかし、経験が長ければ長いほど、キャリアが複雑化するのは当たり前です。

問題は、転職先の選択基準にありました。この方の転職先の希望条件は「機械系メーカーで社長室長や管理部長のポジションで、年収は前職と同水準」というもの。確かにこれまでのキャリアにぴったりな条件ですが、さすがに過去の経験と“相似形”のポジション・条件での求人案件は多くありません。専門スキルや実務経験を基に転職先を探す方法とは別に、私からは下記のような選択基準を提案しました。

任されてきた職務範囲で、(1)どのような課題設定をしてきたか?(2)どのような解決策を作り、実行してきたか?(3)上司・同僚・部下・親会社などに対して、どのような対人スキルを発揮してきたか?-といった「共通スキル」を割り出し、それが生かされる場所を探していくという方法です。

結果として、選択肢が一気に広がり、それまで排除していたIT系企業や外食産業が新たに応募先になりました。4月から、専門学校の理事長の右腕、学校改革を担う事務局長として、講座内容やプロモーション手法にまで踏み込んで、教員や事務スタッフを巻き込んだ大活躍をしておられます。

転職先選びの軸を、専門スキルから共通スキルに変えただけで、まったく別の可能性が広がった事例です。自分自身のキャリアの特殊性にばかり目を向けるのではなく、他の仕事との共通性に目を向けること。ぜひ頭の隅に置いておいていただきたい観点です。

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【プロフィル】黒田真行

 くろだ・まさゆき 1989年リクルート入社。約30年にわたり転職・中途採用サービスの企画に関わる。2006年から8年間「リクナビNEXT」編集長。14年にルーセントドアーズを設立し、日本初のミドル向け転職サービス「Career Release40」(http://lucentdoors.co.jp/cr40/index.html)を提供している。

「フジサンケイビジネスアイ」

 
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