あなたのビジネスを一歩先に進めるbizDB活用ガイド

「会えば決まる」は本当か?ネット時代に見直される対面営業の価値

#販路拡大・営業

「会えば決まる」は本当か?ネット時代に見直される対面営業の価値
オンライン会議、営業チャット、動画プレゼン、MA(マーケティング・オートメーション)──。営業活動の多くが、デジタル化・非対面化された今、「わざわざ会う」意味は薄れているように見えます。しかし、それでもなお営業の現場では、「やっぱり、会ったら決まるんだよね」という声が聞こえてきます。この記事では、なぜ“対面営業”は今も必要とされるのか? その価値と活かし方を、オンラインとの違いを踏まえながら解説します。

    なぜ「会うと決まる」のか?対面営業の5つの価値

    1. 相手の“温度感”がわかる

    目の前にいれば、声色、表情、間の取り方などから「本音」や「関心度」が自然に読み取れます。オンライン越しでは拾いきれない、微細な非言語情報がカギになります。

    2. 信頼感・安心感が早く形成される

    “会う”という行為そのものが、相手への誠意や真剣度を伝えるシグナルになります。特に、初対面・高額商材・長期契約の場面では、信頼の“質感”が結果を左右します。

    3. 関係構築に「雑談」が効く

    雑談の中にある、価値観・人柄・共通点の共有が、ビジネスの継続性を強めます。オンラインでは端的に議題だけで終わることが多く、「関係の太さ」につながりにくい傾向があります。

    4. 空気を読む“臨機応変な提案”ができる

    現場の雰囲気や相手の表情から読み取り、リアルタイムで提案を調整できるのは、対面営業ならではの強み。予定になかったニーズが、その場の会話で浮上することも。

    5. 「訪問すること自体」がブランディングになる

    「わざわざ来てくれる」こと自体に価値を感じる文化がある企業や人もいます。“足を運ぶ=本気度”が、信頼獲得のスタートになるケースも少なくありません。

    それでも、オンライン営業のメリットは大きい

    もちろん、対面営業だけに頼るのは非効率です。オンライン営業が持つ以下のようなメリットは、十分活かすべきです。
    ・スピードと回転率の高さ
    ・遠隔・広域展開がしやすい
    ・移動コスト・時間の削減
    ・会話記録や資料共有の容易さ
    つまり、対面とオンラインの“使い分け”が重要です。

    対面営業が効果を発揮する3つのタイミング

    ① 初回訪問時(特に無形・高額商材)
    →第一印象と信頼構築の鍵。ここで関係性が決まる

    ② クロージング直前の面談時
    →決断を後押しする安心感・納得感の演出が可能

    ③ 取引継続・アップセル提案時
    関係の深化や新たなニーズ発掘につながる

    ハイブリッド営業戦略|「会う+会わない」の最適バランス

    対面営業は万能ではありません。重要なのは、限られた営業リソースを“会うべき顧客”に集中させる判断力です。

    <ハイブリッド営業の一例>
    ・初回接触:オンライン(資料+ヒアリング)
    ・温度感の高い顧客:対面訪問
    ・検討中~導入後:定期フォローはオンライン
    ・キーマン登場 or 複雑提案:再度対面
    このように、段階に応じて“会う意味”を明確化することで、無駄を省きつつ最大の成果を上げることができます。

    対面営業に向いている商品・サービスとは?

    すべての商品・サービスが対面営業に適しているわけではありません。「説明が複雑」「信頼構築が不可欠」「顧客ごとにカスタマイズが必要」といった要素がある場合、対面営業が大きな効果を発揮します。

    <対面営業に適している主なケース>
    ●単価が高く、意思決定に時間がかかる商材
    顧客の不安やリスク感を“人”が解消する必要がある

    ●カスタマイズ型のBtoBソリューション
    顧客の業務や課題に応じた柔軟な提案が必要

    ●コンサルティング・士業・専門サービス
    顧客の本音・課題を引き出す“対話力”が重要

    ●新規分野・新商品など、認知・理解が必要な商材
    実際に会って説明することで納得度・安心感が高まる

    ●公共・医療・建設など、対面文化が根強い業界
    オンラインより“顔を見せる”ことが重視される傾向あり

    まとめ

    “会う”という営業スタイルは、決して過去のものではありません。むしろ、オンライン時代だからこそ、「ここぞ」という場面での対面の重みが際立ちます。会えば決まる、ではなく「会うべきときに会うことで、決まりやすくなる」それが、現代の営業戦略です。「会いに行くこと」をコストではなく、信頼を得る投資として考えれば、営業の成果は大きく変わります。

    編集局の声

    オンライン営業が当たり前になった今、あえて会いに行くことで“他と違う”印象を残せる時代です。中小企業の営業だからこそできる、「顔の見える関係性」が、信頼や紹介、リピートに直結します。画面越しでは伝わらない熱意や空気感を、もう一度見直してみましょう。“会えば決まる”は、戦略的に活かせば、まだまだ有効な営業武器なのです。

    販路拡大・営業カテゴリの商品・サービス

    bizDBの分類・カテゴリ