建設業界のデジタル化をリードするFINALCAD、 総額4,000万ドルの資金調達を実施
FINALCAD既存の投資家であるフランスのSerena、Aster、CapHorn Investに加え、新たに国際的な投資会社が参画いたします。新規投資家は欧州のファンド会社であるDraper Esprit、国際的にVCファンド事業を行うCathay Innovation、およびCRMの世界的リーダーであるセールスフォースのグローバル投資グループであるSalesforce Venturesです。今回の新たな投資により、資金調達総額は6,300万ドル(約72億円)に上ります。
グローバル市場においては、現在10兆ドルが建設分野で費やされていますが、その規模は今後20年で2倍になると見込まれています。しかし、建設業界においては生産性が低いことが長年の大きな課題とされています。マッキンゼー社の調査によれば、イギリスとドイツでは1995年以来、市場全体の生産性が約30%上昇している中で、建設業界においてはわずか7%ということが確認されています。一方で、建設業界ではいまだ手作業による非デジタルなプロセスが主流で、デジタル技術の採用が遅れています。今後の世界人口の増加に伴い、世界中の建設需要が増加していく事が予測されることから、効率的で費用対効果の高い建設方法を構築することが急務です。
FINALCAD は、正にこの建設業界の生産性を向上させるべく、2012年、ジミー・ルシャール、ジョッフロワ・ルシャール、ダヴィッド・ヴォトランによって設立されました。同社は、建設会社がスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を活用して業務効率を向上させることに貢献します。サイトエンジニアも現場監督も設計者も管理者も、現場であれオフィスであれ、全ての関係者がアプリを通じて情報を共有しながら、多様なワークフローで協力的に作業を進めていくことが可能になります。このアプリは単なるコミュニケーションツールではなく、必要な図面やBIMの情報をすぐに確認でき、タスクや進捗管理、不具合管理、安全管理などにも活用されます。また、FINALCADでは収集されたデータに基づいた分析レポートを提供しており、作業改善や不具合の事前予測など、企業レベルでのさらなる生産性や品質の改善の取り組みに活用することが可能です。
こうした付加価値が、建設業界のデジタル化を推進するというFINALCADの使命において、ヨーロッパおよびアジア市場でのFINALCADの地位確立に貢献しています。
新たな資金により、以下が実現します。
● 建物やインフラのSaaS 製品のプラットフォームをエネルギー分野や運用保守管理に拡張
● 世界の顧客へのサービスを強化するため、100名を新規採用
● より確実な予測を可能にする建設向けに特化したインサイトプラットフォームの研究開発
同社は現在、12カ国に170人の従業員を雇用しており、設立以来2万件を超える建設プロジェクトにサービスを提供しています。主な顧客としてEiffage グループ、パリ交通公団、PT PP、清水建設など、国際的に活躍している建設会社が挙げられます。
「2016年にシリーズBを実施した際に、ビジネスモデルをプロジェクトベースのものから全社的なデジタル変革のサポートへと変更したのがFINALCADの重要な転換点でした。これには、ビル・建物、社会インフラ、エネルギー分野、管理運営・定期メンテナンスなど、業界のすべての主な活動が含まれます。そしてヨーロッパとアジアにおけるいくつかの大きな契約獲得でこのビジネスモデルシフトが検証されました。このシリーズCにより、新しい戦略をグローバル規模で展開することができます。私たちは、このユニークなアプローチが実り多きものとなることを確信すると同時に、新しい建設方法を構築するための正しい道を示す事で、お客様にとってもより良い価値をもたらすことができると信じています。そしてお客様がFINALCAD を活用することで、戦略的優位性を持つことのお役に立ちたいと考えています。」
ジミー・ルシャール、共同設立者兼CEO
在日フランス大使館貿易投資庁‐ビジネスフランスのプレスリリース