パワーエレクトロニクス市場： 2024年時点でディスクリート部品市場は230億ドル市場へと拡大

2014年11月20日

先端技術を専門とする米調査会社ラックスリサーチ（本社：米国ボストン）の調べによると、携帯電話からポンプ、発動機など幅広い機器において電力変換と制御に利用されるパワーエレクトロニクスのディスクリート部品市場は、現在の130億ドルから2024年時点では230億ドル市場へと成長すること分かりました。

シリコン材料を利用した機器が一般的ではあるものの、炭化硅素（SiC)や窒化ガリウム（GaN）を利用した機器セグメンントが最も年間成長率が高く、2024年には　SiCとGaNを合計した市場シェアは13％まで拡大する見込みです。

ラックスリサーチのアナリスト、パラヴィ・マダカシラは、『パワーエレクトロニクス：2024年時点で230億ドル市場となるディスクリート部品市場（Sizing-up the $23 Billion Discrete Power Electronics Market in 2024）』にて、次のように指摘しています。

『コンシューマ機器やパワーグリッドなどのアプリケーションではこれまで以上に電力確保が重要となっていることからシリコンは物理的限界に達しており、SiCやGaNへの需要増加が見込まれます。GaNは現在シリコンが利用されているアプリケーションの多くで代替として利用可能であるため、直接的な脅威となります。一方でSiCトランジスタはシリコン部品との併用により高電圧アプリケーションに利用が可能となるため、シリコン部品に新たな市場機会を提供することになります。』

ラックスリサーチでは230億ドルのパワーエレクトロニクスのディスクリート部品市場を調査し、市場拡大への推進力や技術を分析しました。以下が調査結果の一部です。

•　タブレットコンピュータが需要増加を促進。コンシューマ向け機器・ITセグメントが2024年時点の市場シェアの48％に相当する 110億ドル市場となります。うち、コンシューマ向け機器が大部分を占め、タブレットコンピュータやスマートフォンの普及を受け、2014年の70億ドルから2024には100億ドルへと市場が成長します。

•　運輸セグメントがSiCとGaN普及を牽引。 2024年時点で12億ドル市場となる運輸セグメントがSiCとGaNの普及を牽引し、SiC市場の65％、GaNの41％を占めます。

•　SiCにおいては価格、GaNの場合は入手困難であることが普及の妨げとなる。 SiCやGaNは高成長率を遂げるものの市場シェアは限定的です。SiCトランジスタは高価であることから利用可能なアプリケーションは限定的であり、またGaNの場合は商品化や製造量拡大の遅れが普及を妨げている主な要因です。

『パワーエレクトロニクス：2024年時点で230億ドル市場となるディスクリート部品市場（Sizing-up the $23 Billion Discrete Power Electronics Market in 2024）』はラックスリサーチの『エネルギーエレクトロニクス』インテリジェンスサービスにて提供しております。

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