ラックスリサーチ

集光型太陽光発電(CSP)市場: 2020年までには多結晶シリコンより安価での提供が可能に

#環境・エネルギー・エコ

2014年2月25日 – 米国のアイバンパ太陽光発電所の商用稼働開始により、集光型太陽光発電(CSP)へ注目が集まっています。太陽光モジュールの価格下落の影響により、CSPの発電規模は2013年の2.45ギガワットから2018年には2.0ギガワットへと縮小することが予測されています。しかしながら、ラックスリサーチの調査によると、将来的にはCPSは多結晶シリコンより安価な均等化発電原価(LCOE)を達成し、導入増加が期待されます。

本調査を担当したラックスリサーチのリサーチアソシエート、エドワード・ケイヒルは、『集光型太陽熱発電(CSP)の最先端部品市場の活発化(Turning Up the Heat on Advanced Concentrating Solar Components)』と題したレポートにて次のように指摘しています。

『2010年から2011年にかけて政府や投資家の資金が集中したCSPですが、現在は太陽光発電市場での存在感を失っています。しかしながら、公益規模で、独立型のアプリケーションにおいては今後CSP導入増加が見込まれます。最先端のコンポーネントや蓄熱技術の利用により、現在よりも高温での稼働が可能となれば、CSPによるLCOEはPVシステムと比較して6%から日照時間の長い日では最大33%まで安価となります。』


ラックスリサーチでは、CSPの技術評価および経済性分析を行い、最適な事業モデルの模索を実施しました。以下が調査結果の一部です。

• 蓄熱設備(TES)がコスト削減のターゲット分野。現在のCSPシステムは多結晶シリコン利用のシステムと比較した場合、14時間の蓄熱で37%から60%割高であり、蓄熱設備コストがシステムコストの中でも最も高いため、先端コンポーネント利用が期待される分野です。

• 先進タワー型システムは大型プロジェクトへの導入増加が見込まれる。超臨界蒸気システムは2020年時期に導入が始まるでしょう。タワー型システムとしては、エアブレイトンシステム(多結晶シリコン利用と比較した場合LCOEの31%削減達可能)、および超臨界二酸化炭素システム(同33%削減達可能)が特に有望です。

• フレネル型は小規模プロジェクトに最適。溶解塩を伝熱液として利用したリニアーフレネル型システムは多結晶シリコン利用と比較した場合LCOEを6%削減することが可能であり、小規模CSPプロジェクトでの利用、および太陽熱複合発電所、工業用熱、石油の増進回収(EOR)、水質浄化などのアプリケーションでの導入が期待されます。

『集光型太陽熱発電(CSP)の最先端部品市場の活発化(Turning Up the Heat on Advanced Concentrating Solar Components)』レポートはラックスリサーチの太陽光発電インテリジェンスサービスにて提供しております。

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詳細については、弊社ホームページ(www.luxresearchinc.com)をご覧ください。


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戸口 久子
hisako.toguchi@luxresearchinc.com

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