【Next Stage】ワイデックス・菅谷保巳社長

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■高付加価値補聴器でシェア拡大

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 世界初のフルデジタル補聴器を開発したデンマーク企業のワイデックスは、80カ国以上で事業を展開している。なかでも高齢化の進む日本を重要市場と位置づけ、今春に最上位機種の販売を開始した。3年後の2016年4月には、日本国内シェアを12年比4ポイント増の15%に引き上げ、国内3位グループから一歩抜け出す計画だ。

 --国内の市場動向と実績は

 「大手11社が加盟する日本補聴器工業会の出荷統計では市場が拡大傾向で、12年は51万9131台と初めて50万台を突破した。当社は約6万台でシェアが約11%だが、上位2社で市場の3分の1強を占めている」

 --自社製品の強みは

 「高付加価値機能を備えた品ぞろえだ。集音後に言葉と環境音を識別し、言葉の部分の増幅を強めて人の言葉をはっきりさせる汎用(はんよう)型デジタル補聴器を世界各社に先駆けて販売した。また、本体を耳の内部に入れ込む耳あな式補聴器は、耳の形を計測して装着感の高い製品を1週間程度で提供している。市場平均は1個16万円程度だが、当社の売れ筋は20万円弱が主力だ」

 --最近の手応えは

 「5月にドリーム440と330を発売した。440は1個46万~48万2000円と前機種より2万円ほど高いが、買い替え需要を喚起している。当社の今年5~7月は前年同期比で金額ベースは16%増、台数ベースが12%増で、この新機種が牽引(けんいん)している。入力音レベルの最大値を拡大して音のゆがみや劣化を減らし、音割れを防ぐ。野球観戦で歓声の中、館内放送がはっきり聞こえたとの声が届いている」

 --中期的な目標と今後の取り組みは

 「補聴器は、耳が聞こえにくくなって意思疎通がうまくいかなくなり、家族が本人に装着を勧める場合が多い。装着後も耳栓をしながら話す感覚に慣れるまで調整が必要で、補聴器の機能を最大限活用するためのサポートが欠かせないため、信頼できる販売店を増やしたい。一方、原因不明の耳鳴りで生活に支障が生じて悩む人がいる。解消法の一つに、不規則な音を補聴器で流し、耳鳴りの不快感を軽減するTRT療法が欧米で普及している。こうした補聴器の潜在需要を把握するため、医療機関との連携や認知向上に努めたい。取り組みを続けることで、国内シェアを台数ベースで16年4月に15%まで引き上げる」(日野稚子)

【プロフィル】菅谷保巳
 すがや・やすみ 東北工業大学工学部卒。1981年4月日本補聴器販売(現ワイデックス)入社、仙台店などを経て2000年6月取締役。05年5月ハーモニー補聴器(現ブルームヒアリング)社長就任、09年6月から現職。56歳。茨城県出身。

                   ◇

【会社概要】ワイデックス(日本法人)
 ▽本社=東京都墨田区堤通1-19-9
 ▽設立=1956年11月
 ▽資本金=1億1700万円
 ▽従業員=145人
 ▽事業内容=補聴器の製造販売、補聴器・医療機器の輸入販売

「フジサンケイビジネスアイ」

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