◆シルバーウイークの導入の賛否
現行の3祝日分を10月に集中させて、土日を含めた5連休のシルバーウイークをつくろうという動きが政府内に出ている。観光の拡大期待などから日本経済の活性化に寄与するとの意見がある一方、産業界の一部からはサプライチェーン(部品供給網)などに支障が出かねないとする慎重意見もある。
そこでフジサンケイビジネスアイは、中小・ベンチャー企業を対象に「シルバーウイーク導入」について賛否を問うアンケートを実施。その結果、「賛成」と答えた企業が49%とほぼ半数となり、「反対」は39%。「わからない・どちらともいえない」は12%だった。
「賛成」と答えた企業からは「いま取り組むべき日本経済の活性化は、まず個人消費の回復。個人消費の喚起が期待できる大型連休は大賛成」(運輸・通信業)、「地方の観光産業に大きな経済効果が見込めるし、都市部でも郊外の飲食店やアトラクション施設などに効果が期待できる。旅行は通常よりも財布のひもが緩むので、停滞ムードの日本経済全体に明るいムードが広がる」(製造業)と、経済への好影響を期待する意見が多く寄せられた。
また、「日頃忙しいビジネスマンにとって5連休は、自分を見つめ直す良い機会になる。良い仕事は、良い生活環境から生まれる」との意見もあった。
一方、「反対」の意見は、サプライチェーンへの影響など企業活動への支障のほかに、個別企業によって5連休の対応が分かれることを懸念する声が上がった。「混雑してストレスが増えるし、企業の有給を増やした方が有効。有給休暇消化率の低い会社への罰則や、有給休暇の取得できない場合の給与への反映などもっと議論すべき点は多い」(その他)、「労働の機会(派遣などの時間労働)を奪う可能性にも配慮が必要」(卸・小売業)との意見があった。
また、「祝日の意義が失われる」(サービス業)との意見が相次いだほか、「観光産業への経済効果は大きいが、それは「非日常」に対するお金の流れで、経済状況の根本的な改善にはつながらない。それよりも「日常的」に地方や観光地に行ける施策を導入することのほうが意義がある」(別のその他)と、経済効果を疑問視する見方もあった。
アンケートは10月10~18日にかけて、中小企業で構成されるイノベーションズアイの会員企業にインターネットで実施し、121社から回答を得た。
「フジサンケイビジネスアイ」