多言語化を制するものがグローバル化を制する

第1回

グローバル化の新たな局面

上田輝彦 2015年10月1日
 
グローバル化の新たな局面が本格的に迫ってきている。

グローバル化とは何を意味するのか?これについては、その起源や定義を含め、議論は尽きない。本連載では、「世界がボーダレスにつながること」と定義したい。ここで言う「ボーダレス」とは、現実に存在する国境のことではない。「あらゆる場所のあらゆる人々がコミュニケートできる」という意味で境界がなくなるということである。

もちろん、実際にこのような状況が訪れるには、技術的にも政治的にもまだまだ時間が必要だろう。しかし、「するか・しないか」ではなく、「できるか・できないか」という軸においては、世界は確実にその方向に向かっている。

グローバル化が進展するにつれて、自由と多様性は増す。私は経営者なので事業運営という点から見ると、自由と多様性が増すということは、ビジネスチャンスも増えるということになる。しかしチャンスが増えるということは、リスクも増すことでもある。

なぜこんな当たり前のことを改めて述べるかというと、日本ではTPPとインバウンドという形で顕著になったが、現在新たな局面を迎えているグローバル化は、これまでとは変化の影響も速度も桁違いに大きいからだ。特に、国内完結型の企業や人々にも確実に変化をもたらすという点では、第二次大戦直後以来である。

インターネットによって技術的にはコミュニケーションのボーダーがなくなり、最近では世界的な旅行ブームが起きていることによって物理的にもボーダーの感覚が消えつつある。日本にも、ここ数年、驚くべきペースで海外からの訪日人数が増えている。

内向き志向な企業や人々にも、多少なりとも他国/地域と付き合う必要性が出てくるだろう。少なからず混乱や軋轢が生じるだろうが、この流れは止められないだろう。

この連載では、グローバル化とはどういうものなのかを論じると同時に、それへの対応や利活用についても述べていく。

グローバル化を脅威と捉えるのではなく好機と見ることができるようになるアイディアを提示していきたい。

 
 

WIPジャパン株式会社
代表取締役会長 上田輝彦(うえだ てるひこ)

福井・兼業農家出身。中・高では卓球選手。数学・世界史・世界地理を愛好。上智大学(法学部)在学中、欧州各国や中国等を跋渉、その後、住友銀行(大阪)、英国ケンブリッジ大学大学院留学(歴史学部)を経てWIP創業。オリンピック関連調査を端緒として、多言語および海外市場を対象にした事業のみに特化し現在に至る。「グローバルビジネスほど面白いものはない」が信条。

一般社団法人クールジャパン協議会 専務理事

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