多言語化を制するものがグローバル化を制する

第5回

多言語化-グローバル化を制するための最強の戦略①

上田輝彦 2016年6月2日
 
前回まではグローバル化に対応するための基本原則について述べた。

では、グローバル化に対応し、新たな事業機会を発見・獲得するには具体的にどのように動けばいいのだろうか?今回からは、そのことについて述べていく。

創業以来20年以上にわたりグローバル・ビジネスに関わってきた身からすると、「多言語化」が最強にして必須の戦略だと言える。

本連載のタイトルにもつけているとおり、「多言語化を制するものがグローバル化を制する」というのは、決して過言ではない。

そこでまず、多言語化について以下の流れで述べていきたいと思う。

■ 多言語化とは何か
■ 多言語化のメリットと注意点
■ 多言語化戦略の進め方
■ ケーススタディ

この流れを一通り読んでいただければ、多言語化というものがどういうもので、それがグローバル化への対応にどのように有効で、どのように導入を推進すればいいのか、ということがご理解いただけると思う。

追って詳述していくが、今回の締め括りとして、多言語化の要諦をご紹介する。

多言語化とは、「自分の伝えたい内容を、相手の言語特性・文化慣習・状況などに最適な形にする」ことである。第4回でも述べたが、言語や文化によって、世界の切り取り方は異なる。したがって、単に直訳するだけであったり文法的に正しかったりするだけでは、コミュニケーションとしては不十分となる。

製品にしろサービスにしろ、相手に的確に理解してもらえなければ、買ってもらえないし、期待しない反応を招くことがある。日本でウケたクリエイティブやコピー、商品説明が相手の国・地域で同じようにウケるわけではない。

日本語で表現されたものに囚われず、「自分が伝えたいメッセージや価値は何か」という点に立ち返り、「そのメッセージや価値は、相手の言葉や価値観においてはどうすれば伝わるか」を考えるようにしていただきたい。
 
 

WIPジャパン株式会社
代表取締役会長 上田輝彦(うえだ てるひこ)

福井・兼業農家出身。中・高では卓球選手。数学・世界史・世界地理を愛好。上智大学(法学部)在学中、欧州各国や中国等を跋渉、その後、住友銀行(大阪)、英国ケンブリッジ大学大学院留学(歴史学部)を経てWIP創業。オリンピック関連調査を端緒として、多言語および海外市場を対象にした事業のみに特化し現在に至る。「グローバルビジネスほど面白いものはない」が信条。

一般社団法人クールジャパン協議会 専務理事

同じカテゴリのコラム

コラム検索
新聞社が教える SPECIAL CONTENTS
プレスリリースの書き方

記者はどのような視点でプレスリリースに目を通し、新聞に掲載するまでに至るのでしょうか? 新聞社の目線で、プレスリリースの書き方をお教えします。