多言語化を制するものがグローバル化を制する

第2回

視座を高く、視野を広く、視点を柔らかく(前編)

上田輝彦 2015年10月14日
 
前回、「現在進展しているグローバル化は、全ての人に影響する」と述べたが、今回から3回に渡り、まず、グローバル化の影響をプラスにするために最も重要な考え方を紹介する。

グローバル化をチャンスとして捉え、活用するには、次の3つの考え方をまず習慣づけることが肝要だ。

■視座を高くする
■視野を広くする
■視点を柔らかくする

これらは、自分の事業や活動が国内だけで完結するかどうかや、日本以外の国や地域への展開を含むかどうかは関係ない。むしろ、これからも国内だけで事業なり活動なりを続けていくことを想定している方にこそ、グローバル化の波に翻弄されないように心がけてほしいスタンスである。

今回は、最初の「視座を高くすること」について述べる。


【視座を高くすること】

これは、時間軸に対するスタンスを表す。

物理的に視座を高くすると、遠くまで見ることができる。足元だけを見ている場合と比べ、得られる情報が圧倒的に多くなり、少し先に起こりうることに対する予測が働き、適切な対応が取れる。

事業や活動を考えるときも、これと同じである。

よく「時代の変化が激しくなっているから、先のことは予測してもあまり意味がない」という意見を耳にする。確かに短期的なスパンにおいては予測がしにくくなってきている。しかし、大きなトレンドはそうそう大幅にズレることはない。

逆に、短期的な予測を困難にしているテクノロジーによって、大きなトレンドについては、「いつ来るか」に幅があっても、「来るか来ないか」については事実を丁寧に追うことで相当程度把握できるようになってきている。

私はなるべく、短期・10年・50年・100年の単位で物事を予測するようにして、その中で自分の関わる領域に大きな影響が出る事象が、「もし10年後ではなく5年後に起きるとしたらどうなるか」「もし50年後ではなく20年後に起きるとしたら、それは何が要因で前倒しになるのか」と考えるようにしている。

このように考えることで、自社にとってのリスク要因を発見・抽出できるので危機管理にもつながるし、常に複数のシナリオをシミュレートしているので日々の意思決定の迅速化にもつながっている。

また、視座を高くして視線を過去に向けることで、歴史を俯瞰して捉えられるようになる。そうすることで歴史のサイクルから時代の大まかな流れを掴むことができ、また、次回で述べる「視野を広げる」「視点を柔らかくする」と組み合わせることで、歴史の事象や解釈などから、現在に適用可能なアイディアを見つけることもでき、企業経営や事業運営に大いに役に立っている。

 
 

WIPジャパン株式会社
代表取締役会長 上田輝彦(うえだ てるひこ)

福井・兼業農家出身。中・高では卓球選手。数学・世界史・世界地理を愛好。上智大学(法学部)在学中、欧州各国や中国等を跋渉、その後、住友銀行(大阪)、英国ケンブリッジ大学大学院留学(歴史学部)を経てWIP創業。オリンピック関連調査を端緒として、多言語および海外市場を対象にした事業のみに特化し現在に至る。「グローバルビジネスほど面白いものはない」が信条。

一般社団法人クールジャパン協議会 専務理事

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