1位は職別工事業、2位は総合工事業と建設関連業種の倒産危険度が上位
~13,890社・269,055件のネット情報等から、倒産危険度の高い業種を分析~
・職別工事業が16.4%で最多、総合工事業も14.4%と建設関連が上位
・製造業は4業種がランクイン、赤字・債務超過企業が複数確認
・農業・漁業も高水準、コスト高と相場変動が重荷に
AI与信管理サービスを提供するアラームボックス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:武田浩和、以下「当社」)は、この度、2025年6月1日~2026年5月31日の期間に収集された13,890社・269,055件のネット情報等から1年以内に倒産する危険性がある“要警戒企業”を分析・抽出し、「倒産危険度の高い上位10業種」を予測しましたので発表します。
◆倒産可能性の高い業種ランキング
1位 職別工事業(設備工事業を除く)
2位 総合工事業
3位 農業
4位 漁業・水産養殖業
5位 輸送用機械器具製造業
6位 繊維・衣服等卸売業
7位 電子部品・デバイス・電子回路製造業
8位 パルプ・紙・紙加工品製造業
9位 社会保険・社会福祉・介護事業
10位 洗濯・理容・美容・浴場業
※ランキングの詳細な内容は、添付画像のランキング表、もしくはPDFのプレスリリース本文にてご確認いただけます。
◆調査背景
昨今は円安による輸入コストの高騰、さらには人手不足による人件費の高騰から、企業の生産コストが上昇しています。加えて、緊迫する中東情勢を背景にした原油高の影響を受け、燃料費、物流費の先行きにも不透明感が高まっています。これにより多くの企業が収益の確保を目的に値上げに踏み切り、消費者の生活にも影響が広がっています。また日本銀行の発表によれば、2026年度4月の国内企業物価指数は前年比6.3%増で、2020年平均を100としたときの同月指数は134.5となっており、企業間取引の価格動向が高く上昇しています。※6
このような先行き不透明な状況のなか、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金といった支援策の新規受付が終了し、反対にゼロゼロ融資の返済が本格的に始まったことで多くの企業は財務基盤が以前よりぜい弱となっています。このため、取引先倒産によって引き起こされる代金未回収が資金繰りに与える影響は大きくなっています。これらの経営リスクを回避するべく、企業には取引先の業種動向や倒産リスクを常に把握することが求められます。
当社はこれまでAI与信管理クラウドサービス「アラームボックス」の提供を通じて、倒産の事由や前兆と見られる情報を収集・解析してきました。
以上を踏まえ、当社は、取引先の情報をタイムリーに収集し、与信管理に活用することの重要性を啓発することを目的に、「アラームボックス」上で“1年以内に倒産する危険性がある要警戒企業”を業界ごとに集計・分析し、本調査として発表します。
※6日本銀行 企業物価指数(2026年5月速報)
https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/cgpi2605.pdf
◆主な調査結果
今回の調査では、職別工事業と総合工事業が倒産リスクの高い業種の上位を占め、建設関連で信用不安が目立つ結果となりました。職別工事業では31社に1社、総合工事業では35社に1社が倒産する危険性があると算出されています。両業種では、支払遅延、工事代金の未払い、債権譲渡登記、訴訟などの情報が確認され、採算悪化や運転資金負担の増加が資金繰りを圧迫している企業が散見されます。
農業や漁業・水産養殖業といった一次産業も上位に入りました。飼料費や燃料費、各種経費の高止まり、相場変動などが収益を圧迫しており、債務超過に関する決算公告や民事再生・破産に関する情報も確認されています。
製造業では、輸送用機械器具製造業、電子部品・デバイス・電子回路製造業、パルプ・紙・紙加工品製造業で、赤字や債務超過など財務面の不安定さを示す情報が複数確認されました。前回調査で1位だった電子部品・デバイス・電子回路製造業は今回7位となりましたが、破産手続きに移行した事例や、今後の事業継続に注意を要する情報もみられ、倒産リスクは依然として高い水準にあります。
また、個人消費や人手に依存する業種でも信用不安が確認されました。繊維・衣服等卸売業では倒産情報が複数確認され、社会保険・社会福祉・介護事業では未払賃金や派遣料請求をめぐる訴訟がみられました。洗濯・理容・美容・浴場業では、前払契約をめぐる返金遅延、店舗閉鎖、給与未払い、建物明渡訴訟などの情報が多く確認されています。
◆調査結果詳細
1位 職別工事業:31社に1社が倒産する危険性あり
主な事業:とび工事、内装工事、塗装工事、鉄骨工事など
職別工事業では、解体工事や防水工事、造園土木などを手掛ける事業者を中心に、債権譲渡登記の設定が複数確認されました。ファクタリング会社やノンバンクが関与する資金調達のほか、支払遅延や支払振り悪化に関する情報、売掛金・譲受債権をめぐる訴訟もみられ、資金繰りの逼迫が信用不安につながっている企業が散見されます。また、ホームページのアクセス不能や電話不通、営業実態が見えにくい企業に加え、一部ではすでに破産手続き開始や自己破産申請に移行した事例も確認されています。
財務面では、自己資本の毀損や営業キャッシュフローの悪化、赤字継続など、収益力・財務基盤の弱さが目立つ企業もみられました。加えて、給与・報酬未払いに関する口コミ、社会保険・年金関連の情報、脱税容疑での刑事告発報道など、取引信用を損なう要注意情報も含まれています。資材費・人件費の上昇が続くなか、受注環境や価格転嫁力の弱さが資金繰りを圧迫している可能性があり、職別工事業の倒産リスクは高い水準にあると言えます。
2位 総合工事業:35社に1社が倒産する危険性あり
主な事業:土木工事業、建築工事業、建築リフォーム工事業など
総合工事業では、工事代金の未払い、支払遅延、手形割止めなどの支払不安に関する情報が複数確認されました。債権譲渡登記の設定やノンバンクからの資金調達、請負代金や貸金返還をめぐる訴訟もみられ、受注後の立替負担や回収遅延が資金繰りを圧迫している企業が散見されます。また、民事再生や破産手続きに移行した事例もあり、資金繰りの悪化が事業継続に直結しやすい状況がうかがえます。
財務面では、赤字や債務超過、営業キャッシュフローの悪化、借入過多など、収益力・財務基盤の脆弱さが目立つ企業も確認されました。加えて、ホームページのアクセス不能、営業実態の不透明化、社会保険・年金関連の要注意情報、給与未払いに関する口コミなど、事業縮小や信用力低下を示す兆候もみられます。資材価格や人件費の上昇が続くなか、採算悪化と運転資金負担が重なり、総合工事業の倒産リスクは高止まりしている状況です。
3位 農業:40社に1社が倒産する危険性あり
主な事業: 耕種農業、畜産農業、園芸サービス業など
農業では、酪農・畜産関連の事業者を中心に、民事再生や破産手続きに入った事例が確認されました。飼料価格や経費の高止まり、畜産・鶏卵相場の変動、出荷頭数の減少などが採算を圧迫しているケースもみられ、事業規模の維持や資金繰りに苦慮する企業が散見されます。また、事業譲渡や組織再編、ホームページのアクセス不能など、事業継続や営業実態に注意を要する情報も確認されています。
財務面では、債務超過や赤字継続に関する情報が目立ち、収益力・財務基盤の脆弱さが浮き彫りになっています。加えて、支払遅延や債権譲渡登記、訴訟の要注意情報も含まれており、信用力の低下が取引先の警戒感を強めている状況です。生産コストの上昇や相場変動の影響を受けやすい構造のなか、農業の倒産リスクは高い水準にあると言えます。
4位 漁業・水産養殖業:40社に1社が倒産する危険性あり
主な事業:水産動植物の採取や養殖など
漁業・水産養殖業では、水産関連事業者において債務超過に関する決算公告が複数確認されました。資本金・準備金の減少公告もみられ、財務基盤の毀損が進んでいる企業が含まれています。また、一部ではホームページのアクセス不能など、営業実態に注意を要する情報も確認されました。
燃料費や飼料費、人件費などのコスト負担に加え、相場変動や生産量の変化の影響を受けやすい事業構造のなか、財務余力の乏しい企業では資金繰りが不安定化しやすい状況です。
5位 輸送用機械器具製造業:41社に1社が倒産する可能性あり
主な事業: 自動車・鉄道・航空機・船舶および付属品の製造など
輸送用機械製造業では、自動車部品や関連機器を手掛ける事業者を中心に、破産手続きに移行した事例が複数確認されました。事業譲渡や解散公告、ホームページのアクセス不能など、事業継続や営業実態に注意を要する情報もみられ、信用不安が表面化している企業が含まれています。
また、赤字や債務超過に関する決算公告、資本金・準備金の減少、債権譲渡登記の要注意情報も確認されました。開発・設備投資負担や受注変動の影響を受けやすいなか、財務基盤の弱い企業では資金繰りが不安定化しやすく、輸送用機械製造業の倒産リスクは高い水準にあると言えます。
6位 繊維・衣服等卸売業:43社に1社が倒産する可能性あり
主な事業:子ども服や婦人服、ファッションブランド商品の企画・卸売を行うアパレル関連事業者
繊維・衣服等卸売業では、子ども服や婦人服、ファッションブランドを展開する企業を中心に、破産手続きや特別清算、解散公告など、事業の継続が難しくなっていることを示す情報が複数確認されました。事業停止や従業員の解雇、閉店・休業表示、ホームページのアクセス不能などもみられ、販売不振や事業縮小に追い込まれている企業が散見されます。
また、赤字や債務超過に陥っている企業、事業の再編や資本金の減少を行う企業も確認されました。一部では、支払いの遅れや訴訟に関する情報もみられ、資金繰りの厳しさがうかがえます。円安による仕入価格の上昇、消費者の節約志向、少子化による子ども服需要の縮小などが重なり、繊維・衣服等卸売業では経営環境の厳しさが続いています。
7位 電子部品・デバイス・電子回路製造業:44社に1社が倒産する危険性あり
主な事業:スマートフォンや自動車、家電製品などに搭載される電子部品や回路を製造するメーカー
電子部品・デバイス・電子回路製造業では、液晶パネルやプリント基板、光学部品、電子部品などを製造するメーカーで、赤字や債務超過に陥っている企業が複数確認されました。資本金や準備金を減らす公告もみられ、経営の立て直しを進めている企業が含まれています。また、一部では破産手続きに移行した事例もあり、業績の悪化が事業継続に影響している様子がうかがえます。
前回は同業種が倒産危険度1位でしたが、今回も財務基盤の脆弱さは引き続き目立っています。スマートフォンや自動車、産業機器など幅広い分野で電子部品需要はある一方、製品サイクルの変化、設備投資負担、取引先の需要変動の影響を受けやすい構造があります。赤字が長期化する企業や債務超過から脱却できない企業では資金繰りの改善が遅れやすく、電子部品・デバイス・電子回路製造業の倒産リスクは依然として高い水準にあると言えます。
8位 パルプ・紙・紙加工品製造業:44社に1社が倒産する危険性あり
主な事業:パルプの製造、製紙業、紙製品の製造など
パルプ・紙・紙加工品製造業では、段ボールや紙器、製紙関連の企業で、赤字や債務超過に陥っているケースが複数確認されました。長く赤字が続く企業もあり、経営面で不安を抱える企業が含まれています。
また、同業種の一部では事業継続のリスクとなる情報が複数みられ、事業再建や組織整理に関する動きのほか、清算や債権譲渡登記、安全管理上のトラブルに関する情報も確認されました。
9位 社会保険・社会福祉・介護事業:45社に1社が倒産する危険性あり
主な事業:保育園、学童保育、介護施設、高齢者・障害者向け福祉サービスの運営事業者
社会保険・社会福祉・介護事業では、保育、学童保育、介護、高齢者福祉などを運営する企業で、債務超過に陥っているケースが複数確認されました。赤字の企業もあり、人件費や施設の運営費が経営の負担になっている企業が含まれています。
また、解散公告やホームページのアクセス不能など、事業の継続に注意が必要な情報もみられました。一部では、未払賃金や派遣料請求をめぐる訴訟、給与未払いに関する口コミ、人員不足や給与未払いなど、施設運営・労務管理に関する要注意情報も確認されています。
10位 洗濯・理容・美容・浴場業:45社に1社が倒産する可能性あり
主な事業:脱毛サロン、エステ、美容院、クリーニング、銭湯など
洗濯・理容・美容・浴場業では、脱毛サロンやエステ、美容整体などを運営する企業で、破産手続きや清算、店舗閉鎖、営業停止に関する情報が複数確認されました。高額な回数券や前払い契約について、施術を受けられない、返金されない、連絡が取れないといった口コミも多く、利用者とのトラブルが目立っています。
また、給与の未払いに関する口コミや、店舗の退去・賃料未払いなどをめぐる訴訟、ホームページのアクセス不能、社会保険・年金関連の要注意情報も確認されました。赤字や債務超過に陥っている企業もあり、店舗の運営費や広告費、人件費の負担が重いなか、同業種では事業継続に注意を要する企業がみられます。
◆考察
今回の調査では、職別工事業と総合工事業が上位を占め、10位以内ではなかったものの設備工事業も13位と、建設関連業種で倒産危険度の高さが目立ちました。資材価格や人件費の上昇が続くなか、受注から入金までの期間が長く、先行して人件費や外注費を負担する必要がある建設業では、運転資金の不足が経営悪化に直結しやすい構造があります。実際に、支払遅延や訴訟に加え、売掛金を早期に資金化するために債権譲渡登記を設定する動きも確認され、手元資金の確保を急ぐ企業が散見されました。
農業や漁業・水産養殖業といった一次産業でも、倒産危険度は高い水準となりました。飼料費や燃料費、各種経費の高止まりに加え、相場変動や生産量の変化の影響を受けやすく、収益が安定しにくい点が特徴です。コスト上昇を価格へ十分に転嫁できない企業では、財務余力の低下が進みやすい状況にあります。
製造業では、輸送用機械器具、電子部品・デバイス・電子回路、パルプ・紙・紙加工品など、設備や原材料への依存度が高い業種が複数ランクインしました。原材料費やエネルギーコストに加え、設備投資負担や需要変動の影響も受けやすく、赤字が長期化する企業がみられました。今後も中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の変動や主要取引先の生産動向など外部環境の変化には注意が必要です。
また、個人消費や人手に依存する業種では、消費低迷や人件費上昇、店舗運営費の負担が重く、返金遅延や給与未払い、店舗閉鎖などの情報が表面化しやすい傾向があります。倒産リスクは財務諸表だけでなく、取引先、従業員、利用者との関係悪化として先に現れるケースもあります。安心・安全な取引環境を維持するには、財務情報に加え、登記情報、訴訟情報、行政関連情報、口コミなどの外部情報も活用し、個社ごとの状況を継続的にモニタリングすることが重要です。
本調査で上位にランキングされた業種の企業の中にも、財務状況や企業体質が健全な企業は存在します。そのため、あくまで適切な個社ごとの判断をすることが重要であり、動向や倒産リスクをタイムリーに把握できる与信管理体制や仕組みを整えた上で取引することが推奨されます。
◆調査概要
調査期間:2025年6月1日〜2026年5月31日
対象企業:アラームボックスでモニタリングしていた企業のうち、13,890社
対象データ:アラームボックスで配信されたアラーム情報269,055件
◆アラームボックスについて
AI与信管理クラウドサービス「アラームボックス」(
https://alarmbox.jp )は、鮮度の高いインターネット情報や、専門家が取り扱う調査情報、リスクに直結する独自情報をAI技術で収集・解析し、提供するクラウドサービスです。
新規取引時の与信判断、既存取引先の継続的な与信管理、さらに反社チェックや売掛保証までを一括して行うことができます。収集・判断の難しい企業信用情報を、与信への影響度を診断したうえで提供するため、高精度な与信管理を、簡単に、低価格で導入できます。スマートフォンやPC上で取引先の登録からリスク情報の確認まで完結できるため、情報収集や判断にかかる業務負荷を大幅に削減し、与信管理業務の効率化と迅速な意思決定につなげることができます。
◆会社概要
会社名:アラームボックス株式会社
代表者:代表取締役社長 武田 浩和
所在地:東京都新宿区市谷本村町3-22
設立 :2016年6月
資本金:340,200千円
事業内容:与信調査サービス、売掛保証サービス、事業用物件専門の家賃保証
企業サイト:
https://alarmbox.co.jp
サービスサイト:
https://alarmbox.jp