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一般社団法人 産学連携推進協会 代表理事   黒瀬 智恵

産学連携の支援に大きな広がり 童謡のラジオ番組で温もりと元気届けたい

産学の連携を深めようと2011年に設立したソフィアプランニングや、ここから派生した産学連携推進協会を舞台に大学と企業を結び付けてきた黒瀬智恵さん。この“産学連携”の取り組みは、さまざまな成果を生み出すとともに、事業の広がりの契機にもなってきた。そんな“広がり”の1つとして、ラジオ番組を通じて頑張っている全ての人に温もりと元気を届ける応援プロジェクト『おうちへ帰ろう』に乗り出す。産学連携や今回のプロジェクトなどについて、黒瀬さんに聞いた。

――日本では産学連携による取り組みがもっと広がってもいいように思います
最近は産学連携による先端技術の開発や大学発のベンチャー企業なども多くなってきました。しかし、実際にはまだまだ一般的とは言い難い状況です。ソフィアプランニングでは企業側のニーズに、産学連携推進機構では大学側の意向をベースに相手先探しや連携を支援してきました。かれこれ10年年以上になりますが、そもそも産学連携に興味がないという人が多いと思います。
――産学連携というと、科学技術の分野や大企業が参画するイメージがあります
私たちが支援した連携は中小企業が8割を占めています。分野もさまざまでした。比較的多いのは医療系でしたが、特に偏りはないと思います。そんなこともあり、多岐にわたる分野の専門家と交流する機会ができ、これが事業領域を広げる原動力にもなりました。昨年設立した日本SDGs防災機構もそうです。防災分野の権威である目黒公郎・東大教授をお招きし、コミュニティーFMに防災に関するラジオ番組を提供するといった活動も行っています。
――産学連携もそうですが、ラジオ番組で大学の研究者や専門家の研究成果を活かし、その知見を広め、社会に役立てていくいい機会になりますね
コミュニティーFMは災害時の地域に密着した情報発信機能が期待されていますので、防災番組には向いています。われわれが提供している番組は、そうした全国のコミュニティーFM110局に対して提供していますが、まだまだ知らない人が多いというのが実情です。
――より多くの人に伝え施策が必要ということになりますね
そこで、これからスタートする『おうちへ帰ろう』では、これまでのコミュニティーFMのほか、スーパーのデジタルサイネージなどにも番組を提供しようと考えています。
――『おうちへ帰ろう』も、防災と同様SDGsの一環で進めるとか
『おうちへ帰ろう』では、頑張っている全ての人に温もりを届け、元気を応援することにしていますが、根底には自殺対策、働き方改革の推進といったテーマがあります。やさしさのある童謡を通じて頑張りすぎているみんなを応援するものです。計画では、毎週金曜日の午後4時55分から午後5時まで放送します。

https://musicbird.jp/cfm/timetable/gohome/

折しも日本では、若者の死因の第1位が自殺です。新型コロナウイルス禍や働き方改革でテレワークが増え、かえって残業が増えたり、仕事とプライベートの区別があいまいになったりもしています。疲れや孤独、その結果としての自殺などは現代日本の大きな脅威ではないでしょうか。ではどうするのか。われわれは童謡に着目しました。小中学校の学習指導要領でも童謡の指導が必須となるなど、見直されつつあります。
――多くの人を、童謡を通じて応援するというのはなかなかおもしろいですね
多くの人に届けるのが課題です。コミュニティーFMのほか、サイネージや多くのメディアなどにも働きかけようと思います。目標は、メディアの枠を超え、“誰もが知っている国民的応援番組”にすること。番組は無料で提供しますので、番組を広めるパートナーと資金面のスポンサーが必要です。放送開始に向け、今後はこのパートナーとスポンサー集めを本格化し、できるだけ多くの人に温もりと元気の素が届けられるようがんばります。もしこの企画にご興味のある企業や団体、また個人でも一緒に何かやってみたい等ございましたら、ぜひご連絡をいただきたいと思います。

e-mail:gohome@save-m.com

webサイト:https://www.save-the-mirai.org/gohome

黒瀬 智恵(くろせ・ちえ)
一般社団法人 産学連携推進協会 代表理事
大学卒業後、ラジオ・テレビなどのレポーターからマスコミ関係の仕事に従事。2011年、ソフィアプランニングを設立し代表取締役に就任。2014年、産学連携推進協会を設立。代表理事に就任し、2020年協会内に日本SDGs防災機構を立ち上げ「SAVE the 未来」プロジェクトを実施、現在に至る。

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