ネット通販の魔術師合同会社 社長 杉本幸雄氏

公開日:2018年10月4日

鉄板公式を武器に、3年後に新たな3億円の売上をつくる

主な業務内容は?
売上げ減少や利益率低減、長時間労働に悩んでいる中小企業に、事業の拡大や再生の手段として、新規にネット通販ビジネスへの参入を提案して、コンサルティングを行っています。
クライアントの9割以上が、これまでネット通販に関わったことのない経営者で、医薬、健康、食品、ダイエット、化粧品分野を主に対象にしています。
これらのビジネス分野の共通点は「人頼み」であること。つまり、診療時間内に医師がいなければ病院が成り立たないように、営業時間内に対応できる人がいないと業務を行えないのです。
そこで、そういう業務以外になるべく少ない人数で回せるネットビジネスを立上げ、もう1つの売上の柱を確立し、「3年後に新たな3億円の売上をつくりませんか」と呼びかけ、コンサルティングを行っています。
また公式ブログ(https://ameblo.jp/touch-up/)に、2011年7月から1日も欠かさずに、ネットショップ成功の秘訣などのテーマで記事を書く一方、イノベーションズアイ「ビジネスTV」では、「オンライン販売 成功法則」(http://tv.innovations-i.com/ecommerce/)と題し、ネット通販の成功ノウハウを、わかりやすく、3~5分間にまとめた動画を配信しています。
ネットショップにありがちな間違いにはどんなものがありますか?
まず、インターネットを適切に評価していないということです。どういうことかというと、売れないネットショップはインターネットを過大評価もしくは過小評価する傾向があります。
私はインターネットが登場する前から通信販売のコンサルティングを手がけていますが、インターネットはビジネスの媒介手段にすぎません。ところがネット通販なら、片手間にやっても売れるのではないかと安易に考える人がいる一方、高齢者層やリアル店舗でモノを売っている人のなかには、インターネットを難しく考えすぎる傾向がみられます。
ある意味で、どちらもインターネットに対して過剰な依存心を抱いているわけですが、本来はネット通販でもリアル店舗でも、商品の売り方は変わりません。そもそも、リアルとネットを分けて考えること自体が間違いです。
ということは、ネットショップでもリアルでPRを行ったほうがいいのですか?
私は、ネット販売であっても、リアルでの働きかけ、すなわち集客やPR活動を欠かさずに行うことをお勧めしています。
というのも最近、紙のダイレクトメールや新聞の折り込みチラシが意外と当たるのです。たとえば以前は新聞に折り込みチラシが数多く入っていましたが、今ではかなり量が減りました。つまり、昔よりも紙のチラシの競争相手が少なくなっていて、紙媒体の広告が読者の目に触れる可能性が高まっているのです。
また今では、ある商品やサービスを紙媒体で知った人も、インターネットで検索することが多いので、ネットだけでなくリアルでも自社の商品やサービスを知ってもらうことが重要です。
「売上=商品×(集客+接客)」という鉄板公式にはどんな意味がありますか?
「商品が良ければ売れる」と考えているネットショップのオーナーは少なくないと思います。ところが、商品力やサービス力で差別化しようと思っても、他社と圧倒的な差をつけることはかなり難しいのが実情です。
その一方で、どんなに商品やサービスが良くても、お客様がそれを知らなければ買っていただけません。したがって、商品やサービスをお客様に知っていただくための活動である集客が非常に重要で、私は商品やサービスの向上が2割で集客が8割と、クライアントに指導しています。
なお、この公式でいう接客とは、Webサイトやメール、広告原稿などのすべての顧客接点でのおもてなしを意味します。
商品がそこそこ良くて集客力があればネットショップに新規顧客が集まり、新規顧客に適切な接客を行えば、リピーターになっていただける。その結果、売上が持続的に伸びていくというのが、この公式の意味するところです。このように段階的に、1つひとつの要素を見極めて原因を探り、不足しているものを埋めていけば、売上は伸びていくのです。
ネットショップの売上を伸ばしたいとき、具体的にどんなことをしたらいいですか?
ネットショップの売上が思うように伸びないときに、ホームページをリニューアルしたり広告を打ったり、キャンペーンを行って商品を値引き販売したりすることがよくあります。
ところが、ネット通販の売上は、「売上=アクセス数×コンバージョン率×客単価」と表すことも可能で、売上を構成するこの3つの数字がいまどうなっているのかをきちんとみていくことが大事です。
コンバージョン率(転換率)とは、Webページを閲覧した人の中で、商品購入や会員登録、資料請求などを行った人の割合。たとえばアクセス数が十分でもコンバージョン率が低いということは、自社の通販サイトを訪れた人は多いものの、売上につながる行動に結びついていないことを意味します。ここまで分析してから、通販サイトをリニューアルすることを検討したほうがいいでしょう。
逆に、アクセス数が不足していて売上が少ない場合は、通販サイトよりも集客活動の不足に問題があるといえます。したがって、リアル店舗でもよくあるように、集客活動が不足しているのに商品を値引き販売したり、アイテムを充実させようとして商品点数を増やすことに、あまり意味はありません。
さらに、アクセス数もコンバージョン率も客単価もよくない場合は、そもそも商品が悪いか、価格設定もしくはターゲティングといったマーケティング上の問題があることが考えられます。
ちなみに「売上=アクセス数×コンバージョン率×客単価アクセス数」という公式からは、アクセス数、コンバージョン率、客単価をそれぞれ約3割向上させれば、売上が2倍になることがわかります。
蓮を会社のロゴマークのモチーフにした理由は何ですか?
私は仕事のうえで「ど根性」と「片手間では絶対成功しない」というキーワードを大切にしています。
蓮はおよそ7000万年前から生息し、数回の氷河期を乗り越えてきましたが、そこにど根性と強い生命力を感じます。
また、蓮は泥水の中に根を張り、水面に葉を出し、葉の上で可憐な花を咲かせています。
当社のロゴマークの蓮の花は、クライアントが成し遂げた成果を表し、蓮の花を支える葉はクライアントの成功の土台である当社の象徴。根は、私のど根性を意味し、クライアントへの指導の源となる継続的な勉強と研究を表しています。
IT・EC人材の教育や働きやすい職場作りのためのコンサルティングも行っています。
若手やベテランに限らず、職場や地域社会でさまざまな人たちと協力をしていくために必要な能力である「社会人基礎力」 その中でもコミュニケーションスキルで困っている方は多く居ます。たとえばIT会社やEC会社では、業務中に誰も話さないとか、あまりしゃべってはいけないという雰囲気のなかで、わからないことがあっても聞かずに自分でなんとかしようと悩んでいる人が、意外に多いのです。
普段の会話のなかで、お互いの得意分野が分かっていれば、先輩や同僚に教えてもらってすぐに解決できることが数多くあるにもかかわらずです。
こうした社会人基礎力の不足が、人間力を弱体化させ、仕事上での時間やコスト、イライラや不安を増大させ、事業やプロジェクトの「全体コスト」を引き上げているのです。
そこで当社が実施しているのが、IT・EC人材のための社会人基礎力研修「全体コスト削減への人間力強化」。
入社間もない社員や学生に向けた研修内容ではなく、ネットビジネス担当者のコミュニケーション能力を高めるトレーニングなどを主に行っています。
コミュニケーション能力を高めるための即効性のある方法は、第1に、挨拶のなかに相手の名前を入れて話しかけること。人は、親しみを込めて名前を呼ばれると嬉しく感じるもので、お互いに話しやすい雰囲気が生まれます。そこから相手への気遣いや観察が始まり、相手のことを心配したり、お互いの仕事への関心や期待といった感情も芽生えてくるのです。
つまり、話すことから、社員同士がお互いを気遣いフォローし合う気風が生まれ、目標を達成するために、1人ひとりが主体的に行動するように組織が変わっていくのです。その結果、「全体コスト」が劇的に下がり、働きやすい職場を作ることが可能になっていくわけです。
ちなみに私は、ここでいうコミュニケーション能力を、自分の考えを適切に発信する能力と、他者からの発信を正しく理解する能力を合わせたものと定義しています。
この研修でトレーニングする能力には、
・前に踏み出す力(アクション)
(主体性、働きかけ力、実行力)
・考え抜く力(シンキング)
(課題発見力、計画力、創造力)
・チームで働く力(チームワーク)
(発信力、傾聴力、柔軟性、状況把握力、規律力、ストレスコントロール力)
などがあり、受講者からは、「主体性の研修を終え、派遣先で、クライアントのスタッフさんに対して『名前』で呼ぶことで、互いに話しやすい関係を作れ、トラブルの未然防止につながりました」 「年上同僚への働きかけをアサーティブコミュニケーションにしたところ、自分では考えられないアイデアの提案をもらえ、仕事のクオリティが1人で走るよりも、はるかにアップしたと思う」 などの評価をいただいています。
ネットショップのオーナーや、これからネットショップを始めたい人にメッセージをお願いします。
最近では高齢者のインターネット利用率が高まっていて、80代の方でも約4割がインターネットを利用しています。60~70代の方のインターネット利用率は約7割に達しており、「シニアはネットに弱い」というのは一体いつの時代の話なのか、という状況になっています。
これにともない、ネット通販のユーザーも高齢者層に広がっており、紙の新聞をみても、広告の多くが通販関連で、しかもシニア向けの商品が数多く紹介されています。実際、若者よりも高齢者のほうが客単価が高いので、ネットショップ側としては高齢者層の顧客獲得により力を入れていくべきでしょう。
しかも高齢者層の顧客は、商品が気に入ると、なかなか「浮気」しないので、なおさら一度買ってもらうことが重要になり、そのためにも自社の商品やサービスを多くの人に知ってもらう集客に力を入れなければならない、ということになります。
今後日本では高齢化社会が進展し、2020年頃には日本女性の2人に1人が50歳以上になるという試算もあります。こうした状況をふまえ、私は持続可能な戦略として、クライアントに対し、40代以上の女性をメインターゲットとして取り込み、彼女たちが80代になってもお付き合いできる優良顧客に育てるように指導しています。
その際、顧客の心をどう動かすかということが非常に大切。顧客がお金を遣うのは感情が動いたときであり、論理的に判断しているのではないからです。
とくに健康と美容、お金、勉強に関することは、顧客の年齢にかかわらず、あまり変わらない関心事。若い人たちも年齢を重ねるうちに、それらに対する興味が湧いてくるものです。
ネット通販ビジネスは、適切なあり方とやり方であなたが成功を手に入れることができる、極めて普通でありふれた商いです。思い込みや勘違いは捨てて、正しい姿勢で真摯に仕事に取り組み、フィロソフィー(哲学)を持って人の欲求や悩みに応えていれば、おのずと稼ぐことができるようになっていくでしょう。

ネット通販コンサルタント。小さな会社のビジネスモデルの仕組みの策定を得意にしている。

「【必ず儲かる鉄板公式】売上=商品×(集客+接客)」を考案。商品企画・集客活動・接客活動に加え、最適な価格戦略とターゲティングなどのマーケティングを総合的に指南している点が、他のWebコンサルタントや広告営業会社と大きく異なっている。

これまで起業家に対するコンサルティング指導を通じ、およそ110億円の売上作りをサポート。なかでも楽天市場では総合1位、ダイエット部門1位、健康部門1位、コスメ部門1位、食品部門1位などに輝く優れたネットショップをたびたび輩出。独自ドメインのネットショップの売上を30倍に高めた実績も持つ。コンサルティング指導を行ったクライアントの83.6%が、それぞれの目標を達成している。

事業を成功させるためには、知力、体力、資金力と、ど根性が絶対に必要だという考えを基本に、コンサルティング指導にあたっている。著書に『片手間では絶対に成功しないネット通販』(金園社)がある。

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