フロイント産業の錠剤印刷装置「タブレックス」
フロイント産業はコーティングを施していない「素錠(そじょう)」と、口の中で溶けるため水なしで飲める「OD錠(口腔(こうくう)内崩壊錠)」に識別文字を印刷できるインクジェット式錠剤印刷装置「TABREX(タブレックス)」を発売した。価格は3億円(仕様により異なる)で、医薬品業界を中心に錠剤を製造する企業へ売り込む。
販売目標は2014年2月期までに2台。次年度以降は年間5台を販売する計画。
超高齢化社会に伴う患者数の増加により、薬の飲み間違いや調剤時の医療過誤の増大が懸念されている。フィルム錠や糖衣錠は、誤飲防止のために文字情報を印刷した錠剤が多く出回っているが、近年増加傾向にあるOD錠などには、表面に微粉が生じるといった問題から印字が困難だった。
タブレックスは、錠剤の表面の微粉を取る独自技術「粉とり機構」と、印刷の擦れや情報の欠落がなく、安定した印刷ができる「コンティニュアスインクジェット式」を採用し、素錠やOD錠への印刷を可能にした。両面印刷の機能を標準装備するほか、異物や形状不良を判定できる検査機能を搭載し、生産コストの削減にも貢献する。
「フジサンケイビジネスアイ」