有限会社昭和プレス 代表取締役 高久 笑一氏
町の板金屋さんからアイデア発信。目指すはアウトドア用焚き火グリルのトップブランド
私は2代目。プレス、板金業で今年50年目を迎えます。毎日両親の働く背中を見て『絶対に板金屋などにならない』と思っていましたが、気が付いたらなっていました。2008年のリーマンショックをきっかけに自社ブランド“笑’s”に着手しました。私自身、アウトドアが大好きで、板金の仕事で生じる端材で自分用に焚き火台を自作していました。その仕上りの評判が良く、アウトドア用の焚き火グリルをオリジナル製品として売ることにしました。販売第1号は、コンパクト焚き火グリル 『ちび火君』です。折りたためて、丁番や溶接を一切使わず、組立にネジや工具も不要という点が特徴で高さ24cm、重さも約1.3kgです。焚き火にこだわるのは、エコだからです。山の木々を拾ってきて燃料にし、焼却されることで二酸化炭素が大気中に戻る。若木はそれを吸収し、燃えかすの灰は地中に入るといったカーボンニュートラルな活動です。世界中でキャンプは行われているのに、なぜ、この焚き火をもっと利用しないのかと思います。現在、焚き火台を中心とした自社製品の数は約40種類。売上げの割合は、板金業が70%、自社製品は30%。板金の仕事は、どんなに丁寧に検査して良品を納品しても「出来てあたりまえ」の評価ですが、焚き火台を納めた先からは、「ありがとうございます。」というお声が直接届きます。そんなところが、やりがいに繋がっています。私たちのような小さな製造業は、それぞれの得意分野を伸ばしていくべきで「うちは出来ないけれど、あそこでは出来るよ」と連携し合える関係が理想だと思います。目下の夢は、世界中で「焚き火のグリルといえば(笑's)だよね」といわれるようなメーカーに成長させることです。
2009年12月 GARRRV Gear of the Year 2009受賞 2012年 8月 ソルトレイク開催Outdoor Retailer Summer Market 初出展
■有限会社昭和プレス
048-861-8449
http://www.showapress.jp/index
「フジサンケイビジネスアイ」