オフィス賃貸不動産のポータルサイトを運営するアットオフィス(東京都目黒区)は20日、オフィス探しの負担から担当者を開放するサポートシステム「ビルケンドットコム」の利用者登録を始めた。
オフィス移転には情報収集、物件検討、移転作業という3つのプロセスがあるが、担当者にとっていずれも負担が重く、専門担当者をおけない中小・ベンチャー企業はオフィス移転を企業戦略に組み込めないでいる。 同社はこの点に着目し、物件探しの情報精度が高く、検討時間も大幅に削減できるビルケンを開発した。
ビルケンはほしい物件(地域、面積、予算など)を問い合わせると、希望に沿った物件情報がメールで送信される。保有データは東京都、神奈川県を中心に6万棟以上で、中小・ベンチャー企業が求める、広さ30坪(99平方メートル)以下のオフィスが圧倒的に多い。データ更新も毎日行われるため精度が高いと好評だ。 物件検索機能も担当者の使いやすさを優先。土地勘がなくても地図画面をもとに物件を検索できるほか、気になる物件を保存して候補を絞り込む「マイページ」を利用すると、複数物件の比較や、プレゼン資料の作成といった情報整理もスムーズにいく。
また、希望条件を登録するだけで、毎日1000件以上更新される物件の新着情報の中から条件にあった情報だけが自動的にメールで届く。このため、新着情報だけを確認することで訪問営業に煩わされることなく検討初期段階から情報収集できるようになる。
移転先オフィスを探す担当者の負担軽減につながるビルケンはこれまで、問い合わせがあった顧客向けの営業ツールとして使ってきた。今後はオフィス移転を検討している中小企業経営者などが利用者登録するとサービスを利用できるようになる。これにより、物件情報メール送信件数を年内に現状の月間1500社から2倍の3000社に増やす考えだ 。
同社は2000年6月に、不動産集客テレマーケティング会社として設立。06年にはオフィス物件情報を24時間以内に自社ホームページに公開する「アットオフィス・1dayアップシステム」を開発し、ビルケンは07年に試験運用を開始した 。
「フジサンケイビジネスアイ」