インフォテリアは、IoT(モノのインターネット)関連事業を強化する。その一環としてソフトウエアの開発基盤「Platio(プラティオ)」のサービスを2017年1月下旬から開始。アプリを簡単に作れる環境を提供する。また、家電ベンチャーのCerevo(セレボ、東京都文京区)と提携し、“DIY型”IoTの開発に乗り出すほか、本社ビル(東京都品川区)の1階にIoT専門の情報発信拠点を開設する。
新たに開設したIoTフューチャーラボ。小国の杉で作られたテーブルの上にIoT機器が並ぶ=東京都品川区
プラティオはIoT機器を活用したアプリ開発をはじめシステム全体の運用を、プログラミングの知識がなくても簡単に行えるのが特徴。利用者はカスタマイズが可能なテンプレートを利用してアプリを作成でき、そのデータベースは自動的にクラウド上に準備され、アプリの配布・更新が可能となる。
適用が想定される分野は土木・建設や農業、ヘルスケアなど。例えば血圧計と連動した場合、自動的に記録されるため従来のような手書き作業が不要となる。
Cerevoとの協業は、IoT機器メーカーにとってカスタマイズ開発には限界がある点を考慮。「ある程度できているものをブロックのように組み立てることで、IoTの利用を進めていくこと」(インフォテリアの平野洋一郎社長)を目標に掲げている。DIY型は初期投資が小さく柔軟にトライアンドエラーできるため、両社で研究、実証を進めていく。
IoT関連の拠点には「IoTフューチャーラボ」という名称を付けた。延べ床面積は530平方メートルで、国内最多となる100台以上のIoT機器を配置。開発中のソフトやハードを持ち込んで試すことができるほか、セミナールームやコラボレーションスペースも用意した。来年にはネット配信用のスタジオを開設。IoT関連情報を生でネットにアップする計画だ。
また、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として森林保全活動を行っている「小国の杉」(熊本県小国町)を活用したテーブルなどを配置。「森のぬくもりの中のハイテク」をコンセプトに掲げる。
「フジサンケイビジネスアイ」