eコマースサイトの製作運営などを手掛けるECホールディングスは、スイーツ業界向けに特化したサイト構築パッケージサービス「ECチャレンジ」を今月発売した。創業以来10年間、業界に特化してサイトを製作したノウハウを生かし、中小零細事業者でも導入しやすい価格を実現した。初期費用30万円。1年契約の場合、エントリープランで月額9800円、スタンダードプランで同2万9800円。初年度は100社への導入を目指し、3年後には500社に伸ばす。
スイーツ店に使い勝手のよい機能を搭載しているECホールディングスが製作したサイト
スイーツ業界向けのeコマースサイトは、クリスマスやバレンタインデーなどの繁忙期の予約や製造管理のほか、配送時の冷蔵便、冷凍便などのきめ細かな機能が必要とされる。
「ECチャレンジ」は、繁忙期の予約や期間指定での販売を管理する「予約販売・期間販売」▽ユーザーが注文時に冷蔵便、冷凍便などの配送方法を選択できる「温度帯設定」▽配送日までに製造する商品を一覧表示する「製造カレンダー」▽会員などに定期的に商品を届ける「定期購入」▽ラッピング、メッセージカードなどを設定できる「ギフト対応」-などスイーツ店にとって使い勝手のよい機能が標準装備されている。
全国菓子工業組合連合会によると、つくって販売しているスイーツ店舗は約3万2000店と推計され、うち過半数が3人以下の零細規模とみられる。スイーツ業界向けのeコマースサイトは、システム開発をすると初期費用として数百万円かかるとされる。このため、中小零細店にとって負担が重く導入は進んでいない。しかしECチャレンジはパッケージなので、初期費用と月額利用料以外は費用が発生せずに機能を利用できる。
同社は会社設立以来、主にスイーツ店のサイト製作を受注してきた。自社でもスイーツブランド「チャプチーノ」を2010年に立ち上げて、eコマースとともに実店舗も複数運営するようになる。
現在、売上高のうち、eコマースサイト運営事業が70%で、スイーツ卸小売り事業が30%だが、今後eコマース関連を強化していく。
井関貴博社長は「中小零細店の経営は厳しいが、eコマースに参入することで商圏を広げて売り上げを伸ばすチャンスにしてほしい」と導入を呼びかけている。(佐竹一秀)
「フジサンケイビジネスアイ」