カネパッケージ社長・金坂良一さん
□カネパッケージ社長・金坂良一さん(56)
--家電製品などの緩衝材の企画開発を手掛けている
「1976年の創業以来、製品の振動や落下の衝撃を緩和する梱包(こんぽう)材で業績を上げてきた。以前は発泡スチロール素材が主流だったが20年ほど前から、環境に配慮して段ボール素材に置き換えている。構造解析などの独自技術を駆使し、1枚の段ボールを複雑な形状に組み立てて最適な梱包材を作成している」
--海外展開に積極的だ
「現在フィリピン、中国、ベトナム、タイ、インドネシアなど海外12カ所に拠点を構えている。主要取引先の海外移転によって売り上げが大幅に減少したため、追随する形で96年にフィリピンへ進出したが、当初は赤字だった。私は97年に入社し、フィリピン着任から半年ほどで黒字に転換させた。海外での収益を再投資して、拠点を広げている」
--マングローブの植林に取り組んでいる
「2009年から売上高の0.1%をフィリピンのマングローブ植林に当てている。5月には累計で600万本を達成し、東京ドーム35個分になった。現地の住民に作業を委託するとともに、植林ツアーを年2回実施して、1回につき各国の従業員を合計で20~30人派遣している。国や言葉が違う従業員同士でも一体感が芽生える。また、自然の中で達成感を味わうことで、帰国後には自信を持って自ら意欲的に働くようになる」
--今後の取り組みは
「少子高齢化で国内市場は縮小していくだろう。国内外でのM&A(企業の合併・買収)を積極的に仕掛けていく。特に製造設備のある会社を重要視している。16年には新社屋建設に着工し、17年に完成させる。エネルギー負荷が軽減された環境配慮型にする。見学者がたくさん訪れる地域のシンボルにしたい」
【プロフィル】金坂良一
かねさか・よしかず 明大政経卒。1982年コシダテック入社。ティエフオーを経て、97年3月カネパッケージ入社。海外事業部長、副社長を経て、2007年3月から現職。岡山県出身。
「フジサンケイビジネスアイ」