アークコミュニケーションズ・大里真理子代表取締役
海外進出を計画している企業などを対象に、日本語ウェブサイトを現地語に翻訳するサービスを提供するアークコミュニケーションズ。ネーティブによる精度の高いサービスが特徴だ。同社の大里真理子代表取締役は今後、英語にとどまらず、あらゆる言語への対応を充実させるなど、顧客満足の向上を狙う。
--翻訳を中心に事業を展開しているが、他社との差別化は
「現時点で44を超える多言語の翻訳対応が可能だが、すべて日本語に堪能なネーティブと契約しているほか、ビジネス経験の豊富な人も抱えており、高い品質の翻訳を提供できる。例えば、同じポルトガル語でも、ポルトガル国内と、南米で話されるポルトガル語では、大きく変わってくる。こうしたニュアンスの違いなどにも、きめ細かく対応し、現地の方々の心に響く翻訳ができるのが強みだ」
「また、せっかく質の高い翻訳をしても、人の目に触れなければ意味がないため、一から日本企業の企業案内を作る仕事から、各国の現地語でわかりやすいウェブサイトの構築などを、きめ細かくコンサルティングできる力もあると自負している」
--今後の需要動向は
「2020年に開催される東京オリンピックは、企業のグローバル対応や外国人雇用を増やす取り組みを加速させるとみており、間接的ではあるが、大きなビジネスチャンスが到来する。企業のグローバル化、外国人雇用が進むなか、対外的な言語対応にとどまらず、日本人と外国人の社員同士のコミュニケーション力の向上を課題に挙げる企業が多いほか、就業規則や社内報の多言語化対応などが遅れている例も多いが、当社では十分対応できる」
--CSR(企業の社会的責任)活動にも注力する
「グローバルに戦う個人を支援したい、という思いから、クロスカントリースキーなどマイナースポーツ3選手の支援を行っている。当社の取り組みが、中小企業のスポーツ支援を通じた広報活動などのモデルになればと考えている。また、ここ数年増加しながら、世界に知られていない英語で授業を行う日本の大学の情報を紹介するサイトを構築している。日本で学ぶ魅力を伝えることで、日本のグローバル化の加速につなげたい」
--今後の目標は
「創業時に5人で始めた会社も発展し、現在は32人まで増え、売り上げも5億6000万円までになった。今後、既存事業を深掘りし、20年には売り上げ10億円とし、さらに新規事業も創出していきたい」(那須慎一)
【会社概要】アークコミュニケーションズ
▽本社=東京都港区三田3-9-9 森伝ビル7F
▽設立=2005年7月
▽資本金=1000万円
▽従業員=32人
▽売上高=5億6000万円(2013年9月決算期)
▽事業内容=ウェブサイトの企画・制作やパンフレットデザイン、ライティング翻訳、人材紹介など
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【プロフィル】大里真理子
おおさと・まりこ 早大スポーツ科学研究科修士課程修了。1986年日本アイ・ビー・エム入社。その後、ユニデン、アイディーエスを経て、2005年にアークコミュニケーションズ設立と同時に現職。51歳。北海道出身。
「フジサンケイビジネスアイ」