第5回
専業主婦から、まさかの社会復帰…
サポートプラス社会保険労務士事務所 長橋 知世
このコラムは、どん底を経験した女性がなぜ起業に至ったか、そして今何のために、どんな思いで働いているのかを、サポートプラス社会保険労務士事務所の代表であり、セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」を主宰する長橋知世が、インタビュー形式で赤裸々に深堀りしていきます。
今回のゲストは、ファイナンシャルプランナー 野村美可さんです。
今はどのようなお仕事をされていますか?
私は今、ライフナビパートナーズという金融の総合代理店で、お客さまのお金まわりのご相談にのっています。
この仕事を始めて、4年になります。
専業主婦を経て就職されたとのことですが…
大卒で証券会社に5年勤務後、同期の主人と結婚。10年専業主婦をやりました。
社会とは、すっぱりと縁が切れていたのですが、主人の体調不振から、社会復帰を考えることに。
証券外務員という国家資格を所有していたので、再就職は余裕だなと甘い考えを持っていましたが、正社員としての採用はなかなか難しく、結果は派遣社員として、銀行で営業を担当することになります。入ったならば、派遣も正社員もないと思い、とにかく一生懸命に仕事をしました。
そしてそれは実を結び、3年後に正社員になることが叶いました。
都合17年間、主に富裕層のお客さまに対しての営業をまかされていました。
銀行のお仕事はいかがでしたか?
銀行の営業として、相続や運用の話をしに行くことは好きな仕事でした。
お客さまは、そろそろ第二の人生をスタートされる方。これからも自分が輝きたい、ワクワクしたいという話をされる方が多くいました。美味しいモノを食べに行きたい、髪をキレイにしたい。しかし、体の不調や、家族との関係性から、それが叶わない…
気心が知れてくると、自分のそんな悩みを打ち明けてくれます。私は、ひとりでニコニコとその話を聞くだけ…何もしないし、できない。
ここに、「銀行のルール」というシャッターがありました。
私の仕事としてのスキルは金融しかないけれど、それ以外のことでもいろいろ協力してあげたい。けれど、このルールのあるところにいる限り、お客さまといっしょになってニコニコすることはできなかったのです。
ここで培ったスキルと、私ができることすべてを使って、本当の意味でお客様のお役に立ちたい!という思いは、少しずつ膨らんでいきます。
55才になると、給与が6割になるという腹立たしいルールも、その決意をさせるにはプラスに働きました。
私は銀行を退社します。
今のお仕事でやりがいを感じる時は?
お客さんが不安に思ってることが解決して、嬉しい顔をしているのを見るのがホントに好きなんです。そのときのありがとうは、わたしの至福の言葉になります。
お客様が2世代、3世代も続いて、わたしのファンになってくれている家族があります。相続の話が持ち上がった時、親と子の両方からアプローチを受けるというちょっと難しい状況に!板挟みです…でも、これほど嬉しいことはないです。
家族以上に、この家族には私が必要なんだと思えた瞬間です。お客さまが、心を開いてくれた瞬間、家族にも話さないことを話してくれた瞬間。この瞬間を感じるまでの関係構築は、私が仕事をしている実感を噛みしめる時間なのです。
銀行時代は、三菱の野村さん。今は、ただの野村さん(笑)。自分のことを話してくれるから嬉しいと言われることもあります。
いつも本音で付き合う姿勢は、忘れないでいます。
野村さんが大切にしている思いとは?
主人が体調を悪くしたことをきっかけに、社会に出ることになったこと。仕事をしなくてはならなくなったこと。
主人にはありがとうと言いたい。
人に対して、こんな気持ちで仕事ができていること。幸せを手にいれたお客さまを、見守ることができること。人生において「こころの安心」が、いかに大切か知ることができたこと。
私が手に入れた事と時間は、計り知れません。
自分に化粧しててもしょうがない。私の素の笑顔が、お客さまに届ける何かを、これからも探していきます。
【ファイナンシャルプランナー 野村美可さんのプロフィール】
ライフナビパートナーズ株式会社に勤務。
生命保険を中心とした金融総合代理店に所属、個人・法人に対して各種金融商品の販売に従事している。特に法人に対しては保険の他、福利厚生として企業型DC(確定拠出年金)の提案も手掛けている。
今回インタビューした野村美可さんのことをもっと知りたい方は、こちら女性起業家デジタルbookをご覧ください
プロフィール
【インタビュアー】
サポートプラス社会保険労務士事務所
セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」
アラフィフ女性に特化した人材紹介「ララ・ワーク」
代表 長橋 知世
静岡県立沼津東高校卒
立教大学社会学部観光学科卒
一般企業、商業高校の教員として勤務したのち、出産を機に退職し家庭に入る。
2児の子育てが終わってから、社会保険労務士資格を取得。
2018年に横浜で社労士事務所の開業に至る。
40代50代女性がもっと社会で活躍すべきと、セカンドキャリアの女性コミュニティを立ち上げ、一年でメンバー100名とする。
主婦はキャリアだと認められる社会を目指し、アラフィフ女性に特化した人材紹介業を立ち上げ、企業とのマッチングを進めている。
Webサイト:サポートプラス社会保険労務士事務所
セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」
セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」とは、人生経験を積み、さまざまなキャリアを経験した女性の第二の人生を応援していくコミュニティです。
ビジネスセミナーや食事会、交流会など、プライベートを楽しみながらビジネスをひろげていくための機会を提供しています。
自己成長できる場、仲間づくり、協業できる環境であり、女性の新しい生き方を承認し、これから社会に踏み出す女性にエールを送りたいと思っています。
◆ララコンシェルジュについてはこちらから
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