ヒューネルソリューション・木村朗男社長
働き方改革を追い風に成長が続くアウトソーシング事業に特化して展開するヒューネルソリューション。8月には、業務を外部企業に任せたい企業からその業務を受託するBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)業界の発展のために調査研究と広報活動に取り組むシンクタンク「BPO総研」を設立した。木村朗男社長は「アウトソーシングを利用したい企業は増えている。BPO総研の活動を通じて人手不足に悩む企業にBPOの重要性を発信し業務の効率化に貢献したい」と話す。
BPO総研を設立した理由は
「営業支援や事務代行などBPOを知っていても実際に活用仕切れていない企業は少なくない。そこで活用メリットなどを紹介し啓発する活動拠点として設立した。セミナーを月1回程度で開催し、情報を発信していく。第1回として9月27日に『営業効率150%を実現する最新BPOセミナー』を東京・新宿で開催。BPOを導入・活用したい企業などから担当者らが集まった。第2回は10月26日を予定している」
BPO事業への手応えは
「働き方改革から業務の改善や効率化を検討している企業にとって、業務負荷軽減は大きな課題となっている。営業など企業のコア事業だけでなく、総務や経理といったバックオフィス(ノンコア事業)でも需要増を感じている。というのも営業では提案から商談クロージングまで全てを求められるが、それに一人で応えるのは難しい。分業が必要であり、われわれがサポートする。サッカーに例えるなら、シュートできるところまでわれわれがボールを運んで『後はシュートするだけ』のパスを営業担当者に送る」
強みは
「営業経験豊富な社員を中途採用したり、子育てなどで退職を余儀なくされた主婦などスキルを持ちながら働けない人を短時間で雇ったりすることで専門性ノウハウを提供できる。また第三者の目で受託企業の問題点を見つけ出し、最適な手段を用いて課題を解決する力をわれわれはもっている。厚生労働省や大阪市といった官公庁から受託し続けているのも高品質なオペレーションスキルが評価されているからだ」
事業はスタートしたばかりだ
「コールセンター運営や人材派遣事業などを手がけるヒューネル(東京都新宿区)の事業部を事業会社として独立させて設立したのは昨年11月で、今年4月から営業を本格的に始めた。ここまで順調に推移しており、初年度の売り上げは8億円弱になりそうだ。来年度は10億円を目指す」
そのための戦略は
「コールセンターでの電話対応などカスタマーサービスを担う川下分野だけでなく、営業代行など川上分野を開拓する。地方にコールセンターを設置し人材をそろえても仕事がないところは少なくない。営業担当者がいないからで、こうしたコールセンターとパートナーシップを結び、代わりに仕事を取ってくる。そのための実績づくりが官公庁からの受託で、これにより信頼を高めていく。またパートナーの得意分野を紹介し合い、互いに事業を発展させていく」
今後の展開は
「われわれは『改善提案実践を通じて、企業のお困りごとを解決するオンリーワン企業』をビジョンに掲げており、企業の働き方改革にBPOで貢献したい。BPO業界は業務を委託された企業にとって黒子であり影の存在だが、なくてはならない企業として存在価値を認めてもらい対等になりたい」
【プロフィル】
木村朗男 きむら・あきお
千葉工業大卒。1999年大手小売会社入社。コールセンター会社などに移り2013年ヒューネル入社しCRM事業本部部長。17年11月同事業本部を独立し設立したヒューネルソリューション社長。41歳。愛知県出身。
【会社概要】
ヒューネルソリューション
▽本社=東京都文京区小石川2-1-2 ユニオン小石川第一ビル705
▽設立=2017年11月
▽従業員数=150人
▽事業内容=BPO事業、営業支援事業、BPO総研運営
「フジサンケイビジネスアイ」