今般、インバウンド事業が観光事業にとどまらず、日本の産業全体の大きな推進力となっていますが、大切なのは日本の物品販売だけでなく、地域の伝統工芸、職人、物産への理解や、何よりもそこで暮らす人々との温かい交流も含め、日本の原動力を発動させる国際交流事業となるべき視点をアピールしていくことです。
加えて、日本人が大切にしてきた文化的側面としての日本のものづくりに対する価値観を再評価し、諸外国の方々とそれを共有し、創造し合うことによって、新たな文化交流や観光事業が躍動し、その結果として経済的繁栄を導き出すという仕組みづくりとしてのインバウンド事業を考えることが重要なのではないかと考えます。
つまり、インバウンド事業は、一方で日本の地域文化・地域産業の掘り起しとなり、また同時にグローバル展開による国際交流事業へと連動するという、両面において重要な意味を持つものです。ものづくり産業の一員として、印刷産業はその両面において、これまで培ってきた情報加工処理、情報流通サービス、コンテンツ開発、デジタルアーカイブ等のノウハウにより、日本の産業力や地域力全体を有機的に結び付け、新たなステージへと飛躍をしていくことが求められています。
情報をコンテンツとしてまとめあげ、社会に迅速に流通させるメディアプロデュース力は、他の情報産業にはない印刷産業固有のノウハウです。日本コンテンツのグローバル展開にともない、印刷プロデューサを海外コンテンツ事業に投入し、インバウンド事業へ集約させるならば、国際交流事業はいっそう深化し、加速していくに違いありません。業際連携、地域連携、グローバル連携等、社会の多様なニーズに応えるための新しい情報流通事業への挑戦、まさにスマート・インバウンド・ソリューションへの挑戦が2020に向けて大きな一歩となることを確信しています。
シンポジウムの内容
●クールジャパン事業など日本のコンテンツ事業の海外展開の現状や、コンテンツ事業を支える印刷産業の最新の取り組みやグローバル展開の可能性について
●地域連携キャンペーンの取り組み事例、外国人観光客向けの多様なサービスと仕組み、2020年に向けたあるいはその後の展望も含めた日本のスマート・インバウンド・ソリューションについて
開催日時・場所
■日時:平成28年3月2日(水)13:30 ~ 16:30 (13:00開場、途中休憩10分)
■会 場:日本印刷会館2階大会議室 (定員約200名)
■対 象:日印産連所属の会員団体・企業、一般の皆様
■参加費用:(会員)3000円 (一般)5000円
プログラムと講師
1.概要説明 (10分)
大島 渡 一般社団法人日本印刷産業連合会 市場調査部部長
2.講演 『打って出る!日本コンテンツの海外展開』(30分)
小糸正樹様 クールジャパン機構 株式会社海外需要開拓支援機構 専務執行役員
3.講演 『迎え撃つ!インバウンド戦略の展開』(40分)
中村好明様 株式会社ジャパンインバウンドソリューションズ代表取締役社長
4.パネルディスカッション『スマート・インバウンド・ソリューションへの挑戦と課題』(90分)
モデレータ:大島 渡 (一社)日本印刷産業連合会 市場調査部部長
パネリスト:小糸正樹様 クールジャパン機構(株)海外需要開拓支援機構 専務執行役員
中村好明様 (株)ジャパンインバウンドソリューションズ代表取締役社長
岡田典幸様 (株)JTBパブリッシング 総務部グローバル事業推進課課長
藤沢 修様 凸版印刷(株) ICT統括本部 ICT戦略室室長
*講演タイトルは都合により変更になる場合がありますので、ご了承ください。
お申込みは、下記日本印刷産業連合会のホームページより申込用紙をダウンロードして所定事項を記載のうえファックスにて、お申し込みください。
http://www.jfpi.or.jp/news.html?topicsnewsid=247