Indo Watcher

第5回

コミュニケーション・ゲーム

木暮 知之 2015年2月23日
 
皆さんはビジネスゲームをご存じだろうか? 一種のロールプレイングゲームのようなもので、ゲームを行いながら、ビジネスの現場に必要なエッセンスを学べるというものだ。

 当社では、月に1回、社員が講師を持ち回りして社内勉強会を行う。ビジネスゲームの種類は様々あり、プロジェクトの疑似体験ができるゲームや、コミュニケーションに特化したゲーム、物流のシュミレーションゲームなど、多くのゲームが存在する。それぞれに明確な目的があり、どれも工夫されているのでそこで学べることも奥深く、「たかがゲーム、されどゲーム」なのだ。全く侮れない。

 今月の社内勉強会で実施したのは、チームワークを高める趣旨のコミュニケーション・ゲームで、コミュニケーションのプロであるはずの当社のメンバーでも、どのように相手に情報を伝え、また情報を得るか、中々苦心していた。ゲームの内容は割愛するが、大事なのは、そのゲームの終わりに行う総評だ。何が目的だったか、それに対してどの様なパフォーマンスをあげられたか、どのようにすればもっと良い結果に結びつけられたのか、等を話し合う。

 今回の例で言えば、社内のコミュニケーションにおいては、まず目的の共有だけでなく、相手がその目的をきちんと理解しているかを確認することが大切だ。それが全てのベースになるからなのだが、一方的にこうだ! としても、相手側にそもそもなぜそのようなことをしなければならいのか? という疑問があれば人は上手く活動できない。

 インドでも似たようなコミュニケーション・ゲームを実施したことがある。唯でさえ議論を白熱させる文化があるのだが、非常に盛り上がった。参加者の様子を見ていると、自分がリーダーシップ取って積極的にやる人や、大人しくしている人もいて、この辺りは日本人とあまり変わらない。しかし、議論のスピードや情熱は日本人よりもあったと思う。白熱しすぎたあまり、時間が足りなくて時間切れになってしまった(笑)。

 日本人同士でも難しいコミュニケーション・ゲームだが、相手が他国のメンバーや、違う文化をもったメンバーであれば尚更難しさが増す。相手の思考や振る舞いを理解する事が、その後の仕事のパフォーマンスに大きく影響すると思う。インド人とチームを組む方に1つ提案したい。たまには形式ばったキックオフ・ミーティングをやめて、コミュニケーション・ゲームをしてみては如何だろう? 互いの事が良く理解もでき、仕事を進めていく上での重要なポイントが見えてくる。
 
 

プロフィール

ピーエムグローバル株式会社
代表取締役 木暮 知之

上智大学 比較文化学部卒 ボンド大学MBA

1991年東京銀行入行、ロンドン支店・投資顧問にて活躍した後、2000年にIT業界に転身。 米系ITコンサルタント会社を経て、2005年に日本初のグローバル・プロジェクトのマネジメント専門のコンサルタント会社「ピーエムグローバル株式会社」を創設。以来、数多くのグローバル・プロジェクトの推進に貢献する。

高校時代の留学から始まり、海外赴任、外資系企業での勤務、更にはオフショア開発等での経験から、異文化とのコミュニケーション能力に長け、グローバル・プロジェクトの推進に関しては定評がある。

海外では、外国人向けに日本人と上手く付き合うための「報・連・相」等のセミナーを行う一方、日本人にはグローバルで通用する人材の育成に携わる。

近年ではインドニュースの配信事業「インドウォッチャー」の編集者としても活躍している。

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