Indo Watcher

第1回

郷に入れば郷に従う?

木暮 知之 2014年11月26日
 


日本人の舌に合うよう、何度も試行錯誤が重ねられたタンドゥールのビリヤニ(写真はタンドゥールWEBサイトより)。

 最近はまっているインド料理がある。ビリヤニ(Biryani)である。インド版炊き込みご飯と説明すれば分かりやすいだろう。お米と一緒に様々な香辛料と鶏肉などを入れてじっくり炊き込む料理で、とても風味が良い。日本であまり知られていないのが不思議なほどである。インドに出張すると、ビリヤニを食べるのが楽しみである。ただ残念なことに、スパイスがきつい場合もあり、食べたい気持ちと裏腹にお腹をこわしてしまうこともある。 

 日本でもこのビリヤニを提供するところがある。恵比寿のタンドゥールというお店がそうだ。ここは、私の大学の先輩がご兄弟で経営している非常に美味しいインド料理レストランで、以前IW200号の記念に、お店のクーポンを提供していただいた。確かメニューにはないのだが、お願いすると目の前で釜飯を炊くような要領でビリヤニを作ってくれる。味はもちろん素晴らしく、私の友人も一発で好物となったくらいだ。ただ、こちらの料理は、かなり上品な感じがする。先輩に聞くと何度も試行錯誤を重ねながら、日本人の舌に合う味付けにしているとか。考えてみれば、日本で食べるインド料理でお腹をこわしたことはない。日本人向けに、スパイスは控えめに、より風味とコクを活かした料理にしているのであろう。 

 ところで、現在弊社も参画している、あるITの開発プロジェクトがある。システムの開発会社がインドということもあり、システムエンジニアやプロジェクト・マネージャーなど、総勢20名ほどのインド人が日本に滞在している。ところがこのプロジェクト、思ったように上手く進行していない。日本人のメンバーに聞くと、その理由はインド人のチームが日本の開発会社のように仕事をしてくれないから、と言う。つまり、お客の要望を察した上で提案することが一切なく、いちいち指示をしないと物事が進まないらしい。 

 郷に入れば郷に従うことも大事である。インド料理の例のように、それぞれのマーケットや文化に合わせる必要性も出てくる。しかしそれは、あくまで食べる側がインド料理を食べる用意があるからこそできる話である。何もかもをインド人に期待するというのは、日本人がインド料理に和食を求めるようなものだ。グローバルにビジネスをする際には、その場所が日本であっても、グローバルなルールのもとで仕事をしなければならないのは当たり前のことである。 
 
 

プロフィール

ピーエムグローバル株式会社
代表取締役 木暮 知之

上智大学 比較文化学部卒 ボンド大学MBA

1991年東京銀行入行、ロンドン支店・投資顧問にて活躍した後、2000年にIT業界に転身。 米系ITコンサルタント会社を経て、2005年に日本初のグローバル・プロジェクトのマネジメント専門のコンサルタント会社「ピーエムグローバル株式会社」を創設。以来、数多くのグローバル・プロジェクトの推進に貢献する。

高校時代の留学から始まり、海外赴任、外資系企業での勤務、更にはオフショア開発等での経験から、異文化とのコミュニケーション能力に長け、グローバル・プロジェクトの推進に関しては定評がある。

海外では、外国人向けに日本人と上手く付き合うための「報・連・相」等のセミナーを行う一方、日本人にはグローバルで通用する人材の育成に携わる。

近年ではインドニュースの配信事業「インドウォッチャー」の編集者としても活躍している。

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