Indo Watcher

第2回

インド人が難しい相手?日本人が特殊?

木暮 知之 2015年1月6日
 
数か月前、在印の某日系企業のインド人に向けたトレーニングを行ってきました。その中に、インド人に「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」を教える、というものがありました。さすがインド!と思ったのは、研修前に「自分たちはホウレンソウができているか?」と聞いたところ、ほぼ全員が「できている」と自信をもって答えたことです。その場に居合わせた日本人駐在員と目を合わせ、思わず苦笑い。 

 古来日本では、相手を察する、行間を読む、相手の真意をつかむ、などということが美徳とされており、その上にビジネスが成り立っています。「ホウレンソウ」もそうした要素が多大にあります。報告するときには相手が質問しそうなことを予測しておく、相談するときには自分の結論をある程度考えておく、など。。。 

 ある文化人類学の先生によると、日本文化は世界で一番High Context Cultureに分類されるそうです。要は、文脈を読みまくる文化、とでもいうのでしょうか。ちなみにインドはそれほどではないのですが、やはり同じHigh Context Cultureに属するそうです。 

 そうした極端な日本文化の社会を、あたかも当然のように他国に押し付けるようなことでは、グローバルな社会では生きていけないのでは、と思ってしまいます。文脈を読まないのが当然、要件に書いてなければ何もしないのが当然、くらいに思った方がいいのでしょう。 

 実は今回の出張で、私が尊敬してやまないあるドイツ企業の役員の方に、インドで偶然遭遇しました。彼は10年前に日本に駐在し、一緒に仕事をした方です。その彼が今、日本ではなく、インドを重要なビジネスパートナーとして仕事をしている。。。上記のエピソードと相俟って、非常に考えさせられる出会いでした。 
 
 

プロフィール

ピーエムグローバル株式会社
代表取締役 木暮 知之

上智大学 比較文化学部卒 ボンド大学MBA

1991年東京銀行入行、ロンドン支店・投資顧問にて活躍した後、2000年にIT業界に転身。 米系ITコンサルタント会社を経て、2005年に日本初のグローバル・プロジェクトのマネジメント専門のコンサルタント会社「ピーエムグローバル株式会社」を創設。以来、数多くのグローバル・プロジェクトの推進に貢献する。

高校時代の留学から始まり、海外赴任、外資系企業での勤務、更にはオフショア開発等での経験から、異文化とのコミュニケーション能力に長け、グローバル・プロジェクトの推進に関しては定評がある。

海外では、外国人向けに日本人と上手く付き合うための「報・連・相」等のセミナーを行う一方、日本人にはグローバルで通用する人材の育成に携わる。

近年ではインドニュースの配信事業「インドウォッチャー」の編集者としても活躍している。

同じカテゴリのコラム

コラム検索
新聞社が教える SPECIAL CONTENTS
プレスリリースの書き方

記者はどのような視点でプレスリリースに目を通し、新聞に掲載するまでに至るのでしょうか? 新聞社の目線で、プレスリリースの書き方をお教えします。