Indo Watcher

第7回

インド人+電話会議=難しい組み合わせ?

木暮 知之 2015年6月5日
 
 最近、とあるクライアントのプロジェクトで、電話会議を行った。そのプロジェクトのチームはインドと日本のメンバーからなるものだが、大変ストレスが溜まる会議であった。というのも、電話会議の90%がインド方の話しで、日本人のメンバーは何度か発言しようとしたが、一向に会話の主導権を握れない。一切お構いなく話し続けるインドのメンバーに、日本人は途中で話すことすら諦め、議論は一方的に終わった。当然、当初の目的は達成できなかった。 
 ところが先日、偶然にもそのインド人メンバーと日本で対面した。さぞかし人の話しを聞かない難しい人物かと思えば、決してそんな事はなかった。こちらが話すそぶりを見せると、自重気味に会話を止めてくれたりもした。建設的な議論が行え、こんなことなら初めからFace to Faceで打ち合わせをさせればよかったと思った次第だ。 
 人の印象は5秒で決まると言う人がいるが、実は会話の最中にもこうしたイメージによるメッセージは大事であると思う。特にインドのようにエネルギッシュで自分の意見を言うことが当たり前の国では、電話会議で黙っていると(もしくは話そうとしても完全に制圧できない場合には)、まずコミュニケーションはとれない。話す内容も当然大事だが、このカルチャーと対峙するには、あらゆる非言語要素をも導入する必要がある。電話会議よりもビデオ会議、でなければ直接会って話すことが大事である。
 事前にeメールで会議の趣旨やディスカッションポイントも共有しておくことも大切だ。それにより、電話で会話がエキサイトしても、拠り所ができる。日本側の会議進行役はこうした点を怠らないように準備する必要がある。会議の初めにアジェンダをしっかり確認し、一方の話しが3分以上続いた場合には、必ずポーズを設けるようにする。
 日本人の苦手な、アイスブレークを上手く活用することも重要だ。電話会議のはじめに、ちょっとしたNon-Bizなトピックから始めると、相手も打ち解ける。雑談も使いようによってコミュニケーションの潤滑油となる。
 次の電話会議では、インド人に「日本人は何を考えているか分からない」と言われないように。
 
 

プロフィール

ピーエムグローバル株式会社
代表取締役 木暮 知之

上智大学 比較文化学部卒 ボンド大学MBA

1991年東京銀行入行、ロンドン支店・投資顧問にて活躍した後、2000年にIT業界に転身。 米系ITコンサルタント会社を経て、2005年に日本初のグローバル・プロジェクトのマネジメント専門のコンサルタント会社「ピーエムグローバル株式会社」を創設。以来、数多くのグローバル・プロジェクトの推進に貢献する。

高校時代の留学から始まり、海外赴任、外資系企業での勤務、更にはオフショア開発等での経験から、異文化とのコミュニケーション能力に長け、グローバル・プロジェクトの推進に関しては定評がある。

海外では、外国人向けに日本人と上手く付き合うための「報・連・相」等のセミナーを行う一方、日本人にはグローバルで通用する人材の育成に携わる。

近年ではインドニュースの配信事業「インドウォッチャー」の編集者としても活躍している。

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