各賞の受賞企業(前列)をはじめ最終選考会では9社が競った。
中小・ベンチャーの支援組織であるイノベーションズアイとフジサンケイビジネスアイが主催するビジネスコンテスト「革新ビジネスアワード2016」の最終選考会が、11月28日に東京都品川区のきゅりあん(品川区立総合区民会館)で開催された。応募83社の中からイノベーションズアイ会員のWeb投票、イノベーションズアイの支援機関、新聞社の推薦で選ばれたファイナリスト9社が、約200人の来場者を前にビジネスアイディアを競った。厳正な審査の結果、買い取り価格比較サイト「ウリドキ」のプレゼンテーションを行ったウリドキネット(東京都品川区)が最優秀賞に輝いた。最優秀賞ならびに各賞受賞者のプレゼン内容を紹介する。
◇大賞◇
株式会社ウリドキネット
代表取締役CEO 木暮 康雄氏
代表取締役CEO 木暮 康雄氏
自宅に使用せずに置いてあるゲームやDVD、PC、携帯電話機、ブランドものなどが売れるのか、売れるならできるだけ高く売りたいと考えるものだが、「ウリドキ」はサイト登録買取業者の価格設定を見て比較し、実際に買取店を決め自宅に買取に来てもらい、料金の銀行振込までしてもらえる便利で安心なサイトだ。商品を出品したり、売りに出かける手間は必要ない。急いで売らなくてよい場合は、売りたい商品を登録し買取価格の変動をチェックし高くなったタイミングで売ることもできる。
売る側はサイトを無料で利用でき、ウリドキネットは買取業者から買取額の10%を受け取る。「ウリドキ」は2013年12月にたち上げられこの8月に正式に運営を始めたばかりだが、毎月大幅に利用者が増え通算利用者数は200万人超。日本最大のネット買取サイトとなっている。
日本のリユース(再使用)品市場は、携帯電話機とブランド品に限定しても16兆円といわれる。しかし、衣類だけをみてもリサイクル率は20%以下。多くは自宅に眠ったままか、捨てられているのが現状だ。日本の1人あたりのゴミ焼却量は300キロ超と先進国の中でも断トツに多い。ウリドキネットはこの現状を問題視し、リユース価格を透明化し買取システムを安心・便利にすることでモノが循環する社会にしたいと考えている。
◇よい仕事おこし賞◇
株式会社ジンジブ
代表取締役 草場 勇介氏
代表取締役 草場 勇介氏
高校新卒者の就職支援サイト「JOBドラフト」を2015年8月にスタートさせた。高校生の就職は通常、高校の進路相談室を通して行われている。企業は管轄ハローワークの許諾を得て高校に紙の求人票を出し、高校生は一人一社制、単願推薦で就職先を決める――「JOBドラフト」はこうした慣習に風穴を開け、高校生の職業選択の自由を確保しようとするものだ。企業が「JOBドラフト」に求人情報を掲載し、高校や高校生自身がサイトに登録することで、高校の進路相談の教員や高校生はその求人情報を、スマートフォンなどを使って自由に閲覧できる。情報掲載企業は397社、登録高校は520校にのぼる。高校や高校生の登録は無料だ。
高卒の就職者は約18万人と少なくないが、1年目の離職率は約20%と高い。就職の際のミスマッチが原因と考えられる。「JOBドラフト」はこのミスマッチを減らすことを目指している。
◇特別賞◇
株式会社ココペリインキュベート
取締役COO 森垣 昭氏
取締役COO 森垣 昭氏
中小企業・小規模事業者の財務を管理しデータを活用することで、成長を支援している。2015年6月、士業の専門家と中小企業をマッチングさせるスポットコンサルティングサイト「SHARES」をスタートさせたが、人工知能を利用したサービスの提供も始めた。企業が財務や労務のデータを入力すると人工知能が分析し、資金調達のタイミングなどの経営課題をレポートする。今後は人工知能を使った、金融機関向け融資スコアリングサービス「SHARESφ(シェアーズファイ)」をスタートさせる。金融機関が中小企業の実態をより深く把握できる月次の財務データを元に与信判断を行えるようにするサービスで、より融資がしやすくなる。
「SHARESφ」はすでに金融機関で実証テストが行われている。実際の利用が進めば、中小企業への融資が増えると予想される。データの受け渡しはクラウドを活用することで、融資審査のスピードアップも図れる。
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