ポータルサイト「アパレルウェブ」創業10周年 独自のビジネスモデルで飛躍目指す

アパレル業界向け総合情報ポータル サイト「アパレルウェブ」（http://www. apparel-web.com）を運営するアパレルウ ェブ（東京都中央区）は、昨年１月に創 業10周年という節目を迎えた。他業界に 比べて遅れている、アパレル業界のＩＴ （情報技術）化や国際化の促進といっ た創業以来の事業目標の実現に向け、業 界に特化した独自のビジネスモデルを武 器に、一層の飛躍を目指す。

売り上げの80％を占めるＩＴソリュ ーション事業では、ホームページ制作か ら、ＳＥＯ・ＳＥＭ、ネットリサーチ、メー ルマーケティング、ＥＣ（電子商取引）サ イト構築などトータルソリューションを 提供できる体制を持つ。取引企業数は年 々増加しており、昨年までに200社近いク ライアントとの契約を果たした。同社が 提供するウェブサイトでは、実店舗への 来店を促すと同時に、約半分のクライア ントのインターネット通販を支援してい るのが特徴だ。サポートしているクライ アントのＥＣサイトの売り上げ規模は昨 年実績で200億円にのぼるという。

創業時に立ち上げた「アパレルウェ ブ」では、業界著名人、クリエーター、 コンサルタントなどのブログを集めた 「アパログ」、東京、ニューヨーク、ロ ンドン、上海など世界各国のストリート スナップを掲載した「ストリートファッ ションフォト」などのコンテンツを鋭 意拡充。アクセス数は年間6500万ページ ビューに達しており、同社の知名度アッ プ、事業拡大に一役買っている。

同社では、2007年に生地・副資材のＥ Ｃサイト「テキスタイルネット」（http:// www.textile-net.jp）の運営も始めた。商社 やメーカーなどの出展企業と、アパレル 企業などのバイヤーを結ぶＢｔｏＢサ イトで、従来は電話・ＦＡＸで実施してい た受発注業務を、インターネット上で24 時間365日取引可能にした。現在、生地の 商社やメーカーを中心に30社近くが出展 し、バイヤー会員数は5000、登録商品数は 約8500品番を数える。今後はボタン、ファ スナーなどの副資材メーカーの出展を増 やすほか、サイトの認知度を高めバイヤ ー会員獲得を目指す。また、サイトの外国 語対応や海外で展開している情報サイト との連携を進め、生地や副資材の輸出を 支援していく計画だ。

創業時の事業目標のひとつである輸 出振興では、昨年１月に海外向けファッ ション通販サイト「ＸＯＪＡＰＡＮ（エ ックスオージャパン）」（http://shop. xojapan.jp）＝写真上＝を立ち上げた。英 語と中国語の２カ国語に対応しており、 独自でサイト運営が困難な中小アパレル 企業などの22ブランドを約120の国と地 域で販売中だ。

同社は、中小企業庁が主催する日本企 業のアジア市場進出支援プロジェクト 「アジア・中東グローバルパスポート 2010」の一環として、アパレル企業のシ ンガポールでのテストマーケティングを サポートした実績を持つ。シンガポール はＡＳＥＡＮにおける国際ビジネスの中 心国であると同時に、ＡＳＥＡＮ全域に 多店舗展開している小売業者が多い。千 金楽健司社長＝顔写真＝は「シンガポー ルの小売業者に扱ってもらうことで、Ａ ＳＥＡＮ全域への出店を可能にするチャ ンスがある」と話す。

アジアからの観光客が渋谷や原宿で衣 料品を購入するケースが増えていること から、若者向けブランドを持つアパレル 企業と協力して、シンガポールにおける 実店舗での長期間のマーケティングも検 討していく考えだ。

「フジサンケイビジネスアイ」