「ベビ★マ」のアプリを開発したエストコーポレーションの鈴木清和さん
医療・福祉関連のITサービスを手掛けるエストコーポレーション(東京都千代田区)は、全国各地の授乳室やおむつ替え施設が地図上で検索できるスマートフォン向けアプリ「ベビ★マ」を運営している。赤ちゃんと安心して外出できると好評で、サービス開始から約2年でダウンロード数は約7万回に上っている。
アプリを開き、画面上部に駅名や住所を入力すると、付近の授乳室とおむつ替え施設の位置がそれぞれのマークで地図上に表示される。利用したい施設のマークに触れると、画面下部に、施設名と住所、利用者の口コミや投稿写真が表示される。
同社のチーフデザイナー、鈴木清和さん(35)は、2年前、1歳だった長男と外出して急におむつを替えないといけなくなったとき、場所をすぐに見つけられずに困った経験から、アプリを開発。「授乳室などの場所は親には大切な情報なのに、知るすべがないことに気付いた」と話す。
子供をあやしながら片手で検索でき、すぐに場所が分かるよう地図で表示することにした。施設の情報の投稿もでき、毎日、全国で30件以上が新規登録されているという。
登録された授乳室は約1万7000件、おむつ替え施設は約3万件(10月8日現在)。鈴木さんは「『他の親が困らないように情報を残したい』という利用者の思いで運営できている」と説明する。
7月には、「よかった」ボタンを加えて評価を分かりやすくしたほか、授乳室に粉ミルク用のお湯があるかどうかを表示する機能も追加した。授乳室などは女性トイレと併設されているケースが多いため、男性でも使いやすい環境かどうかを年内には表示できるようにする方針。
鈴木さんは「今後は授乳室などを増やしたい自治体と連携して、子育てしやすい地域づくりに貢献したい」と意気込む。
「フジサンケイビジネスアイ」