■インターネットはビジネスの宝庫
21世紀に入って既に10年以上が経過した。日本経済は1989年末の日経平均株価3万8915円が現在は1万円前後、名目国内総生産(GDP)も2007年の515兆円をピークに、昨年は470兆円まで下落している。まさに“失われた20年”である。
しかし、日本経済の不調にも関わらず、個々の企業の中には、グローバル化やインターネット革命といった時代の潮流に乗って成長した優良会社が多く存在する。その代表格として、ネットの波に乗った楽天が挙げられる。
ネット経由で買い物、旅行予約、音楽やゲームなどのコンテンツを購入することをネット消費という。ある大手シンクタンクの調査によると、昨年のネット消費の市場規模は10兆円を超え、コンビニエンスストアの市場規模を上回ったようである。
◆楽天が1兆円突破
楽天の11年12月期連結決算は、経常利益が前期比10%増の688億円と過去最高を更新した。また楽天は昨年、仮想商店街(インターネット・ショッピングモール)の取扱高が1兆円を突破している。楽天の創業は1997年だから、10年強で1兆円企業に成長した。ちなみに、百貨店業界最大手の三越伊勢丹ホールディングスの百貨店事業における売上高は1兆1000億円だ。
楽天の三木谷浩史社長は「1兆円は通過点に過ぎない」とさらなる上を目指している。成長戦略は仮想商店街のグローバル展開である。楽天は既に中国やブラジルなど9カ国に進出済みで、進出先をさらに広げる計画だ。
三木谷社長は「配送費を抑えれば国境を越える商取引が劇的に拡大する」とみている。楽天のような大成功事例は別として、当社の顧問先でもネットビジネスで事業を伸ばしている会社が数多く存在する。
◆脱サラで成功
いくつか例を挙げてみよう。まず1社は、脱サラして夫婦で始めた小さな喫茶店からスタートした会社である。
喫茶店での売り上げはたかが知れているが、才覚のある夫婦が知恵を絞りネット市場で成功した。今では楽天の仮想商店街における優良出店者となっている。
もう1社はブックオフの中古本買い取り販売ビジネスをネットで展開する会社で、社長はやはり脱サラ組だ。彼は自動車メーカーに勤務中に事業構想を練り独立した。
今ではネットで中古本のみならず、貴金属などの買い取り販売を手がけ、成功を収めている。
さらにもう1社は、社員数十人の印刷業を承継した若い経営者が、売り上げ伸び悩みの中、ネットを利用した地域限定サービスとして、企画から相談に乗る形での印刷の受注を始めたところ、手応えを感じているとのことだ。まだ成功とまではいかないが、今後に期待したい。
既存事業の売り上げ減少に悩む企業経営者は多いだろう。しかし、既成概念を取り払ってネットをビジネスに生かすことで、事業の再構築と生き残りを考えてみてはいかがだろうか。
アタックスグループ
顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。
「フジサンケイビジネスアイ」