企業向けソフトウエア開発のサイボウズは、インターネットを通じてソフトなどを提供するクラウド型の情報共有サービス導入企業向けに、従業員のメンタルヘルス(心の健康)対策を可能にする新サービスの提供を開始した。労働時間などのサービス利用データを基に、従業員の心理的なストレスの状態を分析・把握する。

メンタルヘルス対策を実現できる社内向けIT(情報技術)サービスは国内で初めて。従業員の心の健康管理が重要性を増すなか、クラウド型サービスで競合相手にない新機軸を打ち出し導入拡大を狙う。
新サービス名は「ワークスタイルアナライザー for ガルーン」。子会社のサイボウズ総合研究所(東京都文京区)が、企業向けにメンタルヘルス対策のコンサルティングサービスを展開するアドバンテッジリスクマネジメント(ARM)と共同開発した。
サイボウズ総研はクラウド型サービス「サイボウズ ガルーン SaaS」の導入企業を対象に11月中旬から提供を始めた。価格は100万円から。
新サービスは、通常業務で頻繁に利用されている出退勤の記録やスケジュール、メールや掲示板のアクセス時間と頻度の変化などを集計。収集データを基に、ARMが業務負荷を分析して、従業員のストレス状態の変化や要対応者を抽出したリポートを作成する。これにより従業員の勤務状況を把握し、精神疾患やストレス不調の予兆を事前に察知し、早期発見につなげられるという。
サイボウズの企業向け情報共有ソフト「ガルーン」の導入企業は約2000社に上るが、クラウド型サービスの利用は数%にとどまっている。企業内で重要度が増すメンタルヘルス対策を可能として付加価値を高め、利用拡大を図るとともに新規顧客の開拓にもつなげる考えだ。
労務行政研究所が今年8月に公表した企業のメンタルヘルス対策の実態調査によると、61.5%の企業が対策について「課題あり」と回答した。従業員1000人以上の企業では、同様の回答が88.6%に上る。
サイボウズは「聞き取り調査などをせずに従業員の精神的な不調を早期に発見し対応できるシステムの需要は大きい」と判断し、新サービスの追加で販売攻勢をかける。
「フジサンケイビジネスアイ」