自宅でオンライン英会話を学ぶ生徒。コミュニケーション力の習得を目指す
■人と「つながる」通じ自律的学習
グループレッスンにこだわったオンライン英会話レッスンを手がけるLEARNie(ラーニー、東京都渋谷区)は、「つながる」をコンセプトとする教育コミュニケーションプラットフォームの構築に乗り出した。生徒が楽しく学べるサービスを別々に提供していたが、これを統合し、生徒が他の生徒や先生、保護者と円滑にコミュニケーションできる態勢を整えるのが狙い。そのためにエンゼル投資家などから総額4800万円を調達、システム開発などに充てる。
同社は今年5月15日に設立、自宅で受講できるオンライン英語教育ビジネスを始めた。アクティブラーニング形式のグループワークやゲーム形式の活動、レッスンで学んだことの発表などを取り入れたカリキュラムのほか、レッスン外でも動画を使ったチャレンジ問題や発表動画の配信といった英語を楽しみながら学べるサービスを提供。考える力や人を思いやる力の習得にも力を注いできた。
こうした従来のオンライン英会話の枠にとらわれない教育が評価され、来年5月には目標とする生徒数2000人の達成に手応えを感じている。
南部洋志社長は「運営する中で、生徒たちが活発なコミュニケーションを行うことで『自分が主役』『前よりできるようになった』『誰かの役に立ちたい』といった気持ちが芽生えることが分かった。一人一人の生徒にスポットライトを当てる演出が重要なので、その仕組みを作る」という。
調達した4800万円を使い必要なシステム開発に取り組む。具体的な使途は検討中だが、オンライングループレッスンや動画を使うコミュニケーションなどに活用していく。また生徒が他の生徒、先生、保護者とコミュニケーションを取るシーンや種類を多く生み出すだけでなく、レッスン外でも相互につながる機会を増やす。
ラーニーは、英会話レッスンを英語スキルの向上ではなく、学習を通してさまざまな人と対話し、生徒が自律的に学ぶ場と位置づけ、「受験勉強はしない。英会話レッスンを通じてコミュニケーション力や思考力を養うのが目的」と南部社長は強調する。このためオンライングループレッスンやホームワーク、発表動画の共有などを有機的につなぐ場として教育コミュニケーションプラットフォームを活用していく考えだ。
「フジサンケイビジネスアイ」