西武信用金庫(東京都中野区)は、杉並区商店会連合会(同杉並区)と包括的連携協力協定を結んだ。西武信金によると、「信用金庫と商店会連合会との包括協定はこれが初めて」という。
協定書を手にする西武信用金庫の落合寛司理事長(右)と、杉並区商店会連合会の内藤一夫会長=東京都杉並区
協定によって、西武信金は杉並区内9支店を通じて、中小商店主からの事業資金や事業承継に関する相談に応じるほか、訪日外国人観光客(インバウンド)誘致のための取り組み、同連合会と共同で空き店舗への起業家の誘致などを行う。
特に訪日外国人誘客では、国や自治体の補助金制度を活用し、クレジットカードや電子マネーが使える電子決済端末の導入を進める。海外では中小商店でも電子決済が普及しているが、現金中心の商慣行が根強い日本では電子決済端末がない店が多く、外国人客誘致の課題となっている。
同連合会には区内約90商店街にある、約5000店が所属しているが、「すでに融資などの取引がある他の金融機関との関係を崩すものではない」(同連合会)としている。
杉並区での調印式後の記者会見で、同連合会の内藤一夫会長は「商店街には防災や防犯など地域のコミュニティーに必要な機能も併せ持つ。西武信金とともに地域社会貢献のための事業に取り組みたい」とあいさつ。
西武信金の落合寛司理事長も「商店街のみなさんと手を携えて、地域を明るくしていきたい」と抱負を語った。
「フジサンケイビジネスアイ」