脳血管障害特化型リハビリ施設「脳梗塞リハビリセンター」の運営を手がけるワイズ(東京都中央区)は、60日間で最大の機能改善を目指したリハビリプランを導入した。トレーニングジムなどで取り入れられている「成果コミット型」を採用し、個人のニーズに合わせた目標に向けて短期間で効率の良いリハビリを行う。リハビリ業界での成果コミット型プランはこれが初めてとみられる。
ワイズの脳梗塞リハビリセンターでのリハビリの様子
利用者はまず、同センターのスタッフと相談しながらリハビリの目標を設定。100項目以上のチェックシートで身体の状況を詳細に把握し、必要なリハビリのプログラムを組む。その後、60日間に週2回以上、最大16回まで利用可能な施設でのリハビリと、施設でのリハビリと連動した自宅でのリハビリ課題を毎日取り組む。
施設でのリハビリには、専属の理学療法士や作業療法士があたるほか、失語症や高次脳機能障害には、言語聴覚士が対応する。また自宅での円滑なリハビリができるよう、利用者の家族にも介助に関する助言を行うほか、さまざまな相談にも応じる。
価格は27万5000円(消費税別)だが、最初のカウンセリングから30日間でリハビリの効果が実感できなかった場合は全額返金するという。
脳血管障害のリハビリは、介護施設で1人の指導員に対して、数人がリハビリに励む「グループワーク」が中心となっているが、個々の障害の程度にあわせたプログラムではないため、リハビリの効果が不十分なケースもみられる。これに対し、ワイズはカウンセリングを重視し、個々の障害の程度、目標とする機能の回復の程度にあわせたプログラムを利用者に提案している。
このため、エンジニアや職人、演奏家などのいわゆる手に職を持つ40~60代を中心に延べ1万人以上が利用している。なかには「数カ月、日本に滞在しながら、リハビリに取り組む外国人もいる」(同社)という。
「できるだけ短い期間で機能改善できるようなリハビリプログラムがほしい」(同)との声を受け、今回の新サービスの導入を決めた。
またワイズは15日、東京都立川市に6カ所目となる脳梗塞リハビリセンターを開設。さいたま市や横浜市でも同様のセンターを開設する計画があるほか、首都圏以外の地方では、医療機関などと連携するかたちでの展開を検討している。
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【会社概要】ワイズ
▽本社=東京都中央区新富2-7-4
▽設立=2014年2月
▽資本金=3億3562万3000円 (資本準備金を含む)
▽事業内容=脳血管障害特化型リハビリ施設の運営など
「フジサンケイビジネスアイ」