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35歳からの転職ウラ事情】(2)初年度は試用、年収アップ2年目以降も

新聞掲載PDF

□ルーセントドアーズ社長・黒田真行氏

「今よりもう少し年収を上げたい」。今も昔も、転職を考えるきっかけになる三大理由の一つです。でも、実際に転職を実行した後、年収の増減がどう変化しているかは、あまり知られていません。もちろん、前職年収額は人それぞれ大きく異なるので、金額の変化ではなく、今回は増減率の変化だけを追ってみたいと思います。

前提として、すべての年代を総合した転職前後の年収増減率は、おおまかにいうと、「増加4割、変化なし2割、減少4割」です。転職理由には、人間関係や会社の経営不安なども多いため、たとえ年収が減少しても納得度の高い転職をしている方も多いのが実情です。

この割合を年代別に見た場合、35歳を過ぎてからの転職の場合、35歳以下世代に比べて、転職後に年収が上がる人の割合はやや少なくなります。

【25歳~35歳】増加5割、変化なし2割、減少3割

【35歳~45歳】増加3割、変化なし2割、減少5割

この数字を見ると、やはり若い世代のほうが(前職年収額も低いこともありますが)転職による年収アップは実現しやすいことが分かります。

ただ、上記の数字は、あくまで「転職初年度」の変化で、35歳以上の方々であっても、転職2年目以降の年収は「増加4割、変化なし2割、減少4割」と大きく盛り返しています。

「転職初年度はお互いの期待値調整のために、やや低めの年収で入社し、受け入れ企業に実力が評価され始めた2年目以降に修正していく」というパターンが多いことが分かります。

家族も含めた生活維持のために、前職と同程度以上の年収水準は譲れない条件だ、というのも当然だと思います。ただ、転職初年度だけは、実力を判断してもらう期間として一歩引き、業務の熟練度や、会社への貢献度で相応の評価を獲得してから徐々に年収を上げていくという考え方で、転職活動時の選択肢が広がるメリットも大きいので、ぜひ視野に入れておいていただければと思います。

                   ◇

【プロフィル】黒田真行

くろだ・まさゆき 1989年リクルート入社。約30年にわたり転職・中途採用サービスの企画に関わる。2006年から8年間「リクナビNEXT」編集長。14年にルーセントドアーズを設立し、日本初のミドル向け転職サービス「Career Release40」(http://lucentdoors.co.jp/cr40/index.html)を提供している。

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