アクア会計事務所

アクア会計事務所 代表公認会計士 伊藤 史哉 氏
ミッションは「百年企業」をつくること。そのために企業の健康診断(財務分析)から
  計画・継続的な健康管理(経営計画・予実管理)まで二人三脚で経営をサポートします

取材日:2013年9月17日


アクア会計事務所 代表公認会計士 伊藤 史哉 氏

IPO(株式上場)を中心にして差別化されているようですが、
そこに至った経緯を教えて下さい
ちょうど今年6月から『株式上場(IPO)から学ぶ会社経営~百年企業をつくる為に~』というタイトルの自社開催セミナーを始めました。先日シリーズの第2回目が終わったところです。私自身がIPOに携わるようになってから10年経ちますが、そこから学んだ「経営のエッセンス」を中小企業、ベンチャー企業の経営に活かしてもらいたいと思って始めたものです。一番の目的は、IPOというものを身近に感じて頂きたいという「普及」です。中小企業の経営者の方もなんとなくは、理解していると思うのですが、人によっては先入観があったり、ものすごくハードルが高いものとして捉えられていたりします。そこで、IPOの意義やメリット、必要なコスト、上場の審査基準が昔に比べると緩和されたこと、などを正しくお伝えしてまずは、理解して頂いてから「うちもやってみようか」となってもらえればいいなと思っています。IPOに取り組む最大のメリットは、「信用してもらえる会社」になるということです。それは、BtoBでもBtoCにおいても共通のメリットです。5年後、10年後も会社の存続及び成長を目指すのに効果的なものです。そもそも、私とIPOとの出会いは、前職の監査法人に在籍している時でした。大学卒業後、外資系の監査法人に入り、主に大企業の監査を担当させてもらいました。私も社会に出て、まもない頃でしたので大企業という、すでに完成形ともいえる構築された組織の中身から学ばせて頂いたことは沢山ありました。しかし、数年すると監査する側と監査される側のベクトルの矛盾が気になりだしました。監査する側としては、決算書や会社の中身をチェックさせて頂き指摘をするわけですが、被監査側としたら「できるだけ余計なことは言ってくれるな」というスタンスなのです。「良かれと思って言うことも素直に聞き入れてもらえない」そんな寂しさから、お客様とベクトルを同じ方向に向けて仕事をしたいと考えるようになりました。
そんな時に出会ったのがIPOという業務です。IPOであれば、「上場したい」という一つのお客様の目的に向かって二人三脚で取り組んで行けます。自分がやりたかった形はコレだと思いました。そこで、最初に在籍していた監査法人を辞め、中小企業を相手にして専門部署としてIPOに取り組んでいる監査法人に転職しました。そこで6年間IPO業務を中心に取り組みました。IPOというのは、準備開始してから最低でも3年はかかる大きなプロジェクトですから途中であきらめてしまう企業もあります。それでも6年間で3社を上場に導くことが出来ました(独立後にも2社の新規上場を実現)。そこで得た「達成感」や「お客様の近くで経営支援をしたい」というマインドが今も私を支えています。
士業というのは、「お客様に対してどこまで踏み込めるか」で
変わってくると思うのですが、ご自身の考えはいかがですか
スタンスという意味では、可能な限り踏み込みたいと思っています。監査法人に居た頃は、まさしくその逆で監査会社は、被監査会社に対して「独立性」を保たないといけないという世界ですから「仲良くなり過ぎてはいけない」というルールが存在します。自分は、そこにもどかしさを覚えていたわけですから、独立した今は、とことん二人三脚の形で接したいと思っています。そこでCFO・経営参謀サービスにも力を入れています。簡単に言ってしまえば、あなたの会社の「社長の右腕」「軍師」になりますというサービスです。三国志の中の故事成語(※)にならって、軍師を表す「水」が私ども、君主を表す「魚」がお客様と考えています。「アクア会計事務所」の「アクア」はそこから来ています。ロゴマークにもそれを表現しています(横に見れば魚、縦に見れば水)。
社長というのは、孤独な立場です。問題があっても社内の人に何もかも話すわけには行きませんから、社外に参謀を持つことはとても有意義なことだと思います。

(※)「水魚の交わり(水魚之交)」・・・「魚は水があってこそ生きていられる」という例をもって「欠くべからざる友の存在」を喩えたもので、「水と魚のように切っても切れない信頼関係」の喩えなどに用いる。
中小企業やベンチャーを対象にされているということですが、
会計という切り口から見えてきた課題や最近の流れなどあれば教えて下さい
中小企業は、原価計算をやっていないところが多いです。税務的にはそこまで求められないというところにも起因しますが、やはり目に見えない原価というのも存在するわけで、そこを知らないことで思わぬ落とし穴があったりします。直接的な原価、例えば製造業は、ある製品をつくるのに材料費がどれだけかかったかが通常は明確です。同時に間接的な原価も発生しています。人件費や経費がそれに当たります。特に会議の時間、手待ちの時間等の間接的な人件費や、減価償却費、修繕費等の設備費など、ここは見落としがちです。実はここを把握していないと見積りを作る際にどこまでだったら値下げできるという正確な目安がわかりません。とにかく受注したいからといって、よそより安い価格で出して、蓋を開けてみたら損していたということになりかねません。他に最近、私どもがお手伝いしているケースとしては、営業マンの行動分析があります。営業の仕事というととにかく売上のみとなりがちですが、訪問件数→引き合い件数→商談数→見積もり提出数→成約(失注)数を時系列で個人ごとに追っていくことで、個人の資質・特長が明確になります。必ずしも沢山動いている人だけが結果を出しているわけではないということも見えてきます。そこから営業方法の見直しや場合によっては人事評価制度の見直しにもつながります。「経営の見える化」は今の時代必須です。数字を通して経営の実態を把握するということです。1枚の決算書からそれが見えるかといえば、そうではなくて、先ほどお話したように決算書数値からブレークダウンすることが必要です。数字をベースに経営のPDCAサイクルを回す。それを利用して人を動かす。ということです。私どもは、財務分析を皮切りに経営計画の立案をし、実行後の予実管理までコンサルティングしています。売上げが1億円以上または従業員10人以上の会社は、是非このような一連の流れで管理されることをお勧めします。一番大事なことは、会社のヴィジョンをしっかりと打ち立てて、同じ目標を達成するために社員一人一人が一丸となって仕事に打ち込むということですね。そのために、会計をどんどん利用していただければと思います。
今後について
セミナーでもお話していますが、仮に上場しなくても、IPOのために準備することや、IPOのための必要条件を満たそうとすることは、会社経営にとって役立つことなのです。私たちは、長生きする会社「百年企業」をつくることがミッションだと思っています。そのようなミッションに共感する社員も育成して社会に貢献できる仕事をしていきたいと思っています。
インタビュー:河合 美智子

略歴

アクア会計事務所 代表公認会計士 伊藤 史哉 氏

1997年大学在学中に公認会計士試験合格。1998年青山監査法人PriceWaterhouse(後の中央青山監査法人)入所。会計士としての経験を積み 2003年監査法人トーマツ入所 シニアマネジャーとして従事。
2009年アクア会計事務所設立 税理士登録
2010年コンサルティング会社アクア・フェリクス株式会社設立 代表取締役就任
2012年関東経済産業局 経営革新等支援機関に認定

企業・団体概要

名称 アクア会計事務所
住所 〒108-0074
東京都 港区高輪2-14-17 グレイス高輪ビル8F
設立 2009年1月5日
従業員数 4人
URL

http://aqua-cpa.biz/

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