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StrateCutions (ストラテキューションズ)グループ 代表社員   落藤伸夫氏

イノベーションを量産するためのマネジメント体制構築と人材開発支援を本格推進

2018年11月に合同会社StrateCutions HRDを設立しました。
中小企業診断士活動の一環としてこれまでも行ってきた企業研修事業等を本格推進するためです。代表である落藤は、中小企業診断士でありながらMBAでもあります。このため後者に関わる人材育成・組織開発・戦略支援に関する事業は中小企業診断士事務所から独立した企業で行うこととしました。今、「会社を変える!イノベーションを量産できる次世代リーダー養成研修」を特にお勧めしています。
その研修はどんな内容ですか?
今、企業は変革を求められています。その原動力となる「イノベーション開発力」を身に付け量産できる次世代リーダーの育成を目的とした企業研修です。受講生からは「考え方や行動に活用できる話が多く、すぐに実践できる」、「自分の立ち位置を明確にし、役割を見直せた」などの評価・感想を頂いています。
私は、日本政策金融公庫で1万8000件以上の与信審査と倒産処理を担当し、事業性分析や評価などを行った経験を持っています。それとMBAで学んだ知識や知見を融合させることで、アップルやグーグル、ソフトバンク等の成功の源泉を、ビジネスモデル構築、経営戦略、マネジメントの視点から体系化しました。ビジネスモデル構築の根幹をなすのが「新しいビジネスモデルをイノベーションする25の方法、4つの推進要因、4つの環境」です。
「新しいビジネスモデルをイノベーションする25の方法、4つの推進要因、4つの環境」とはどんなものですか?
イノベーションとは今までにないものごとを生み出すことですが、だからといって無から生み出すわけではありません。アメリカの経営学者クリステンセンが「一見は関係なさそうな事柄を結びつける思考」と定義しているように、現状に何かを組み合わせることでイノベーションを起こすことができます。
では現状に何を組み合わせれば良いか?私は、時代の最先端をいく企業の取組みを分析し、これら企業が手法と推進要因、そして環境を組み合わせてイノベーションを生み出していることに気がつきました。それが「新しいビジネスモデルをイノベーションする25の方法、4つの推進要因、4つの環境」です。
研修はどのように進められるのですか?
まず、企業の現状、特にビジネスモデルと強み・弱みをしっかりと分析することが出発点です。実はここが大切なので誰でも参加できる一般研修ではなく企業研修の形式を取っています。
次に「新しいビジネスモデルをイノベーションする25の方法、4つの推進要因、4つの環境」を理解していただきます。例えば「25の方法」の中には皆さんもよくご存知のロングテールやファブレス製造・BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)、オンライン取引、オープンソース、プラットフォームなどがあります。「4つの推進要因」とは、イノベーションで実現しようとする方向性で、取引の高速化や垣根の排除、関連性の強調などがあります。「4つの環境」とは、イノベーション実現のため活用できる環境で、グローバル世界やIT世界、AI世界などがあります。
仕上げは受講者に「わが社で取り組みたいイノベーション」を考案し、発表してもらいます。これを可能にするため当研修では、座学や個人・集団ワーク、プレゼンテーション指導などを組み合わせた効果的な学習方法を採用しています。
イノベーション研修だと、対象者は大企業の優秀な人材に限られませんか。
本研修の対象者は、企画部門で革新的事業・潜在顧客開拓の企画リーダーとなる課長・主任クラスに加え、現場部門で革新的製品・サービスおよびその実現方法の企画リーダーとなる課長・主任クラス、加えて「前任者のコピー」ではないオリジナリティを発揮したい新任課長・主任クラスです。
とはいえ、イノベーションは一部の卓越した企業だけにしかできないものではなく、中堅企業や中小企業にも可能です。 たとえば当社の顧問先中小企業は、自ら不要品を買い取ったり廃品回収業者から仕入れた中古品をインターネットで販売していましたが、5年で大赤字になりました。そこで発想を転換し、地域のお客様が欲しがる商品を綿密にリサーチし、それをネットオークション等で仕入れて店舗で売る業態に転換したところ、V字回復を遂げ、3年で累積赤字を解消しました。中古品販売という業態はそのままで、ビジネスモデルを180度変えてイノベーションに成功した例です。
私は、日本中の企業がイノベーションを量産できる思考法を身につければ、日本はもっと良くなる、活気の溢れる社会になると考えています。
今度はStrateCutionsグループについて教えてください。まず名前の由来は?
StrateCutionsとは、戦略(Strategy)と実行(exeCution)を組み合わせた造語です。いま日本企業に最も必要とされているのは、目まぐるしく変わるビジネス環境のもとで、わが社の存立基盤を明らかにする戦略(Strategy)を策定し、それを日常業務(exeCution)の中で実現していくことだ、という意識のもと、名付けました。
StrateCutionsのミッション、ビジョン、経営理念について教えてください。
「倒産はいらない。社内の力を集結することで会社を繁栄させる」ことが当社のミッションであり、「あなたの会社を潰させない。儲ける力を身に付けた企業を育てる」ことをビジョンに掲げています。「経営者に寄り添って戦略と実行を支援します」が当社の経営理念です。
私は前職の日本政策金融公庫信用保険事業において主に倒産企業の審査に従事してきました。政策として倒産企業の処理を行うのは、もちろん大切なことですが、いつしか「生きている企業を救いたい」と思うようになりました。私が中小企業診断士資格やMBAを取得したのも、その一心からです。
「うちの会社は良いものを持っているのに、なぜか儲からない」という話をよく聞きますが、1万8000以上の倒産審査経験からすると、「戦略を立てていないこと」と「それを実行して実現するという意識がないこと」に尽きると思います。それでは会社の方向性が定まらず、社内の力を集結することはできません。一方で「稼ぐ」会社は企業経営者と働き手が同じ方向を向き、協力し合っています。
経営者と働き手が同じ方向を向いて協力するとは、言葉では簡単ですが、現実には難しいのでは?
その通りです。しかし手立てがないわけではありません。当グループでは「マネジメント・アプローチ」を採用しています。根幹になるのはMCS(マネジメント・コントロール・システム論)です。
マネジメントは「上司が部下を思いの通りに操ること・仕事させること」だとお考えの方もいるかと思いますが、それは江戸時代の統治方法の名残りです。マネジメントは20世紀初頭にアメリカで開花しましたが、その目的は「働き手にベストな作業方法を教えて実行してもらうことで、会社を繁栄させ、従業員にも十分な報酬を与える」ことにありました。マネジメントとは、嫌がる働き手を無理やり従わせる手法ではなく、「どうすれば儲かる会社ができるのか?どう働いてもらえれば会社と働き手がWin-Winになれるのか」を考え、実行することなのです。
私は、MBAでこのMCSに出会って以来、研究を続け、InnovationS-iのウェブサイトでは「マネジメントを再考してみる(前編)<現場マネジメント>」そして「マネジメントを再考してみる(後編)<上級マネジメント>」を連載しました。StrateCutionsグループが行う支援は、すべてマネジメント・アプローチの考え方に則っています。
中小企業診断士事務所が人材開発・組織開発会社を分社化した理由が見えてきました。
先にもお話ししたように、日本政策金融公庫で約1万8000の倒産企業を審査したのが私の原点です。苦境に陥る企業が1社でも少なくなり、繁栄し活気溢れる企業が1社でも増えることに貢献することが、StrateCutionsグループの使命だと考えています。マネジメントが分化されていない中小企業には中小企業診断士として個別に支援する、そしてマネジメントが階層化されている中堅・大企業には企業研修で能力溢れる人材を育成していく。目指すところは一つ、今後も邁進していく所存です。
インタビュー:ジャーナリスト 加賀谷貢樹
1961年、広島生まれ。
1985年、早稲田大学政治経済学部卒業後、中小企業信用保険公庫(現・日本政策金融公庫)に入庫。
約30年間の在職中に、中小企業信用保険審査部門(倒産審査マン)、保険業務部門(信用保証・信用保険制度における事業再生支援スキーム策定、事業再生案件審査)などに所属。
1999年に中小企業診断士に登録し、2008年 Bond-BBTのMBA課程を修了。
2014年、中小企業診断士として独立し、2015年に中小企業診断士事務所StrateCutionsを設立。
2018年に合同会社StrateCutions HRDを設立し、現在に至る。

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