中小機構北陸本部の工芸品フェア
中小企業基盤整備機構の北陸本部はこのほど、JPタワー(東京都千代田区)で「北陸工芸品フェア 暮らし継がれる 越の国の手しごと展」を開催した。フェアでは同本部の支援先である富山県、石川県、福井県の工芸品を中心とした商品を展示し、販売。3日間で2万2000人が来場した。
展示会では銅器、指物、漆器、友禅、九谷焼、内刃物という6つのゾーンを設定。指物や打刃物の名産地である福井県越前市や、銅器が有名な富山県高岡市を中心に、6分野を代表する20を超える事業者が参加した。
北陸の伝統工芸の特性は「やる気にあふれた事業者が多く、伝統と新しいテイストを融合させた商品の開発にも意欲的に取り組んでいる点」(北陸本部の坂井一郎・地域振興課長)。会場には、こうした姿勢に基づいて生み出された約300品目がズラリと並んだ。
会場では、一般消費者の声を事業者の商品改良や新商品の開発につなげるため、割引価格で提供する消費者モニター制度も実施した。
また、越前の手漉(す)き和紙職人の指導により、はがき大の和紙作りを体験できるイベントも実施。仏具の鋳造技術を生かし制作、調律した「おりん」による演奏会も開催し、f分の1のゆらぎをアピールした。
出展者側からは「来場者に対して自社の商品を直接PRできたことが、何よりもうれしかった」という声が多く寄せられた。坂井課長は「今回のイベントは著名な事業者を中心に構成したが、東京の中心地で北陸工芸品の知名度向上を図ったことによって、結果的に地元の周辺の事業者にも波及効果が出るはず」と語っていた。
「フジサンケイビジネスアイ」