「新価値創造展NAVI」の動画の一場面
中小企業基盤整備機構(中小機構)は、ウェブ上で運営している常設展示会「新価値創造展NAVI」で提供している出展企業の動画機能を拡充する。今後順次、出展者による動画投稿機能やウェブマガジン、新規出展企業・新製品登録などをオンデマンドで同時配信する。サービスの充実によって出展企業の増加につなげ、同展示会の認知度アップを図る計画だ。
新価値創造展NAVIは「産業・技術」「健康・福祉」「環境・社会」の3分野29カテゴリーで、資料のダウンロードや企業サイトへのダイレクトアクセス、メールでの問い合わせが24時間365日いつでもできるのが特徴。開催期間が決まっている実際の展示会に来場できない企業に対して、日時や時間の制約なく情報の発信ができるためウェブ展への出展企業は年々増加、製品や技術、サービスのPRの場としての活用が広がっている。
世界に向け強み発信
出展企業はテキストに加えて、動画や画像で製品などを紹介。英語ページも併設しており、世界に向けて自社の強みを発信することができる。
また、同展では有識者のインタビューを通じた最新トレンドや、出展している中小企業が開発したユニークな製品や新価値に取り組む中小企業の魅力をウェブマガジンで紹介している。興味分野を登録しておけば、新規出展者や新着動画、新着マガジンなどの情報をメールで受け取れる。利用者は製品、企業のどちらからでも検索可能で、「キーワードしか分からない、企業名しか分からない場合でも知りたい情報にたどりつくことができる」と販路支援部の松原新吾参事は説明する。
中小機構は、中小企業の新たな価値創造を狙いとした「新価値創造展」を毎年開催しており、14回目となる昨年は670社が出展した。しかし、地方企業は実際の展示会に来場するのが難しいという課題があるため、「中小企業への支援をもっと広げていくためにウェブ展示会を開催することにした」と松原参事は話す。
そのうえで、「ウェブなら距離も時間も空間の制約もない。実際の展示会で披露できない大型の製品も紹介することができるので、製品を知ってもらう良い機会にしてほしい。それがNAVIの目的の一つでもあり、出展は無料なのでぜひ登録してほしい」と力説する。
来場者の行動変化も
松原参事は「ウェブ展示会が軌道に乗ってくると、実際の展示会よりもウェブの方が大きくなり、展示会の位置付けが変わる可能性がある。ウェブ展示会で製品や技術情報を知り、それを見るために実際の展示会に来場するということになるかもしれない」と期待を寄せている。
「フジサンケイビジネスアイ」