厳正な審査を経て、6社が主催者賞を受賞した
川崎市産業振興会館で3月5 日、第70回「かわさき起業家オ ーディション ビジネス・アイ デアシーズ市場」(http://www. kawasaki-net.ne.jp/bizidea/)の最 終選考会が開催された。
岩手県二戸市に本社を置くリ ードの戸泉秀明代表取締役が、 かわさき起業家優秀賞を受賞。 戸泉氏は、帽子に安全性という 視点を持ち込んだ独自の頭部保 護帽子「ほっと安心帽」を、学 童用を中心とした市場に展開す るビジネスプランを発表した。
3重構造の衝撃吸収材を帽子 の布地に組み込み、外部からの 衝撃を通常の布製帽子の20分の 1に抑えた。従来は防災対策や 障害者保護などの用途に限られ ていた頭部保護帽子に、軽さや デザイン・ファッション性、手 ごろな価格などの付加価値を持 たせ、幼稚園から小学校まで約 1000万人といわれる学童向け市 場を中心に普及を目指す。
同社では学童用のほか、工場 内における軽作業用、スポーツ 用、介護用の4市場を想定。戸 泉氏によれば、今年から二戸市 では新入学童全員に「ほっと安 心帽」が配布される予定だ。工 場用では、ファイザー社への納 入実績もあるという。
壇上で戸泉氏が「ほっと安 心帽」をかぶり、財団職員が投 げたゴルフボールを頭で受け て、同製品の高い衝撃吸収性を アピールするひとコマも。戸泉 氏は「『帽子で頭を守る』こと を社会に提唱し、より多くの人 に安心を提供していきたい。将 来、技術が向上して、商品が今 とはまったく違う形になったと しても、私がこういうものを発 想して世に出したという実績が 残るなら、それが生きた証しで あり、ロマンだと思う。世の中 の流れはついてくると確信して いる」とプレゼンをしめくくった。
「かわさき起業家優秀賞」を受賞した
リードの戸泉秀明社長のプレゼン風景
そのほか3社が「かわさき起 業家賞」を受賞し、2社が「か わさきビジネス・アイデアシー ズ賞」に輝いた。
同オーディションは2001年か らほぼ2カ月に1回のぺースで 実施されており、今年で10年目 を迎えた。今秋には記念イベン トも予定されているという。
川崎市内に限らず全国から広 く参加者を募集しているのが 同オーディションの特徴で、今 回の受賞者6社のうち3社が東 北地方からの参加者。受賞者 の地域分布は川崎市内が45%、 同市以外の神奈川県内が23%、 東京都内が25%、その他地域 が7%と続いている。
優れたビジネスアイデアに対 しては、川崎市の融資制度を利 用した資金調達の支援や、ベン チャーキャピタル等との出会い の場の提供などを通じたビジネ スアイデアの実現をサポート。 加えて、川崎市産業振興財団の マネジャーが受賞者と同行して 販路開拓を支援するほか、財団 職員がチラシやPR資料の作成 についてのアドバイスも行っ ている。こうした実践的な支援 内容に対する受賞者の評価も高 い。今回の主催者賞の受賞者は次の通り。
▷ かわさき起業家優秀賞/株式会社リード 戸泉秀明氏
▷ かわさき起業家賞/匠ソリュ ーションズ株式会社 Well‒ being事業部 岩本正美氏、 ウェリンテック・ジャパン株式会社 李恒氏、株式会社ともクリエーションズ 渡邊桃伯子氏
▷ かわさきビジネス・アイデ アシーズ賞/株式会社dow ‒corporation 才野美和子 氏、企業組合エキシヤマーケ ティング 三浦智夏子氏
「フジサンケイビジネスアイ」