【飛び立つミャンマー】高橋昭雄東大教授の農村見聞録(22)

掲載日:2014年12月19日(金)5:00

カテゴリ:[アジア・新興国]

西僧院に寄宿するパオ族の少年たち。この建物は取り壊されて、現在新しい本堂が建設中である=2012年12月(筆者撮影)
西僧院に寄宿するパオ族の少年たち。この建物は取り壊されて、現在新しい本堂が建設中である=2012年12月(筆者撮影)

 ■村長と僧院長、全額自費で訪日

 今年10月、私が1986年から調査を続けているヤンゴンの北東、フレグー郡ズィーピンウェー村落区の村落区行政長(以下、村長)と同村内の仏教僧院の院長が、日本にやってきた。旅費も滞在費も自前の観光旅行である。

 日本でオーバーステイして働いて稼ぐつもりでミャンマーからやってくる村人は今までもいたが、2週間の観光で、しかもミャンマーで稼いだ自分の金で日本にやってくる村人が出てくるなど、数年前までは予想だにしなかった出来事である。特にこの村は私が調査してきたミャンマーの村々の中では比較的貧しい村である。そのような村でなぜこのような「お金持ち」が出てきたのであろうか。

 ◆籾殻は金のなる木

 村長のウィン・フライン氏は当年42歳。軍政期の2010年に村長に指名され、半世紀ぶりに行われた12年の選挙でも村民の支持を得て当選した。兼ねてより、カラー氏(ウー・カラー)のような裕福な農民が村長をするのが、この村の慣例であった(見聞録(4)、(5)参照)。ところがウィン・フライン氏は、農地を持たない農業労働者の息子で、裕福になった今でこそ農地を購入して小作に出しているが、農業に従事した経験のない村長である。

 彼は93年に技術高校を卒業して公務員となり、98年まで村の近くにある国営精米所でバーボイル米製造技術者として働き、01年に大手即席麺会社に転職した。月給は9500チャット(当時の市場レートで約2500円)であったという。07年に退職し、同社にラーメンを茹(ゆ)でる燃料となる籾殻(もみがら)を納入する仕事を始めたのが転機となった。公務員時代の精米所および再就職先の即席麺会社社長との強力なコネを生かし、両者の間に立って、それまでタダ同然で廃棄されていた籾殻という安価な燃料を金のなる木に変えたのである。

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