共働き家庭では子供の帰宅確認に活用できる
勤怠管理システムの企画開発を手掛けるネオレックスは、タブレット端末向けアプリ「タブレット タイムレコーダー」に、打刻時に撮影した顔写真をリアルタイムでメール送信する機能を追加して、リニューアル発売する。責任者が不在になりがちな職場で、現場やスタッフの状況を把握しやすくするための活用が見込まれる。また外出先で家族の状況が分かることから、家庭への普及も期待できる。
タブレット タイムレコーダーは、出退勤時に画面上の自分の名前にタッチして打刻する。そのとき同時に写真撮影をする。打刻時には本人の専用画面が現れて勤務時間や残業時間などがグラフで示されるほか、日々の顔写真が表示されるので、表情や身だしなみを確認することになり、自己管理に役立てられる。
動画メッセージを指定する従業員にあてて残す機能もあり、業務の引き継ぎ事項のほか、個人的な激励などを録画できる。指定した相手が打刻すると同時に再生されるので見逃すことがなく、従業員同士のコミュニケーションツールとしても役立つ。
管理者にとっては、全社、部署ごとの勤務時間総計や推移をリアルタイムで把握できるほか、集計も自動化されている。
今回、新たに搭載されるのは、打刻と同時に指定したアドレスに顔写真とともにメール送信する機能。営業や仕入れなどで管理者が職場に不在のとき、現場に何人いるか、誰がいるのかという情報をリアルタイムで把握したいという要望があったため開発した。顔写真付きなので、感覚的に現場やスタッフが分かり、以前より活用しやすくなっている。
事務所だけでなく家庭用としての用途も期待されている。共働き家庭では子供の帰宅確認に活用できる。他にも離れて暮らす高齢の家族の見守りなども想定される。
同社はクラウド勤怠管理システムを2003年から運営している。タブレット タイムレコーダーは「出退勤時に打刻するだけのタイムレコーダーに、楽しくなるような機能を付加したい」との思いから開発。駒井研司最高経営責任者(CEO)は「従来とは別の商品としてタイムレコーダーを“再発明”した」と自負している。小規模な事業所でも導入してもらうため、月額利用料なしの10人分で1万800円とした。3人以下であれば無料で利用できる。
利用者からは「化粧や服装、表情などを気にするようになり、気分も明るくなってきた」「引き継ぎ連絡が大変だったが、ビデオメッセージで簡単になった」などの声が寄せられている。
事務所、飲食店、工場のほか、来年には海外にも売り込んでいく。米国、英国、カナダ、オーストラリアなど英語圏の国・地域に展開し、数年のうちに1万ライセンスの販売を目指す。(佐竹一秀)
◇【会社概要】ネオレックス
▽本社=名古屋市熱田区伝馬1-4-25 ネオレックスビル
▽設立=1987年6月
▽資本金=5000万円
▽従業員=28人
▽売上高=3億7000万円(2015年3月期)
▽事業内容=独自システム、アプリケーションの企画・設計・開発・販売
「フジサンケイビジネスアイ」