株式会社リオ 代表取締役社長   山下 隆浩

ソフト開発強化、インボイス対応やタイピング練習用も

新型コロナウイルス禍で、さまざまな分野のデジタル化が進んでいる。小・中学校でもオンライン授業などを機動的に活用する取り組みが進むが、この学校のデジタル化「GIGAスクール」にはシステムを管理するデジタル人材が欠かせない。ソフト開発やプログラミング教育事業を手掛けてきたリオは、コロナ禍の中で、こうしたデジタル人材の派遣に奔走してきた。山下隆浩社長にこうした新規の事業を含む事業の現状や今後の展開などを聞いた。

――学校のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んできました
リオはソフト開発とパソコンスクールを中心とした教育事業を展開してきました。このうちのパソコンスクール事業については、パソコンが大きく普及し、ビジネスマンの方の一般的なスキルが向上した反面、生徒が減少してきましたが、コロナ禍で進む『GIGAスクール』に対するデジタル人材の派遣は急増しています。
現在売上高はグループ全体で3億6000万円規模ですが、全体の約半分はこうした学校向け人材派遣事業です。その他がソフト開発やDVDソフト、その他の事業ということになります。
――GIGAスクールは続きますが、今後の重点施策についてはどう考えますか
強化していく分野、という意味ではソフト開発です。リオはながらく会計ソフト『やるぞ!確定申告』シリーズを展開してきました。これは主に個人や個人事業主を対象にしたパソコンソフトですが、来年10月から消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度(適格請求書保存方式)が導入されます。これに合わせ、対象の拡大や機能の充実などを進めることにしています。
――インボイス導入は副業のある個人や個人事業主に加え、企業にとっても懸案でしょうね
企業の場合はすでに何らかの会計ソフトを使用しているところが多いでしょうし、それらはインボイスに対応してアップデートもなされるでしょう。そういう意味では、これを機に大量の新規需要が出てくるというわけではありませんが、一定の新規需要は見込まれます。一方で個人事業主はエクセルなどで処理している事が多く、今後大きな需要が見込まれます。
こうした新しい動きに対応し、確定申告ソフトについては消費税を計算する機能を付加し、インボイスに対応していきます。また、個人事業主向けに提供している販売管理ソフトについては中小企業でも使用できるように機能アップします。あわせて、クラウドシステムについても用意する考えです。中小企業では、エクセルなどの表計算ソフトを使って販売管理しているケースも多々あります。そういうところにこうしたソフトの利用を呼びかけていきたいと考えています。
――リオは会計ソフト以外にも多種のソフトを手掛けていますね
今後期待しているものにタイピングソフトがあります。キーボードでの入力を練習するためのタイピングソフトは、パソコンの普及期には各社がラインアップし、数量も多く出ましたが、いまはふるいません。しかし、近年は状況が変化しています。
企業でのパソコン研修などは2000年代の半ばからあまり行われなくなりました。その理由は、大学新卒者などが入社時からパソコンを使えるようになったためでした。ところが、スマートフォンやタブレット端末が普及した近年は、パソコンの利用頻度が減り、パソコン入力ができない新卒者が増えています。これに伴い、パソコン研修を復活する動きも出てきました。そうした中で特に課題となるのがタイピングです。
――確かに、あらゆることがスマホなどでできるようになり、パソコンがなくても不自由はありませんね
ところが仕事ではパソコンが使えないと不便です。そこで、これまでのノウハウも生かした最新のタイピングソフトを投入してみようと思います。
こういった忘れ去られた市場にチャンスを見出し、課題解決をしていくのが私たちの事業スタイルです。
同時に、ワードやエクセル、パワーポイントといったアプリケーションの使い方を習得するためのソフトなどについても改めて検討していきたい。リオにはプログラミング教育のノウハウがありますので、こうしたものを活かし、パソコン初心者向けの教育コンテンツ、ビジネスツールを使いこなすためのソフトなどを強化拡充していきます。当面は、こうした事業の強化も進め、3年後の売上高10億円規模を目指す方針です。
山下 隆浩(やました・たかひろ)
代表取締役社長
1993年 中央大学 法学部卒
1993年 株式会社内田洋行入社
2001年 株式会社ホロンを経て、2007年11月より株式会社リオ代表取締役社長

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