株式会社リオ 代表取締役 山下 隆浩

公開日:2020年7月31日

教育分野にITで攻勢

社名の「リオ」はポルトガル語で「川」を意味する言葉。雨のしずくの小さな一滴一滴が積み重なって「川」になり、やがて「大河」になるよう会社も大きく育てたい。IT技術の進歩は早いが、そのスピードに対応できない企業や学校、公共機関に対し、創業以来のパソコン教室やソフトウエア、コンテンツといったITサービスを提供して、こうした顧客にIT活用による環境整備を支援している。特にプログラミング教育が始まった小学生向けソフト販売に注力するなど教育分野を攻める。
テレワーク導入で議事録自動作成ソフトに注目
新型コロナウイルスの感染拡大の影響をあまり受けずに事業展開しており、前年実績を上回る業績を上げている。その一つが2年前に売り出した「Voice Rep Pro3」。テレビ会議の議事録を自動作成する高性能音声認識ソフトで、今年2月以降、しり上がりに売れ行きを伸ばしている。新型コロナ対応でテレワークを導入する企業が増えているためだ。従来の対面での打ち合わせ・ミーティングでは空気は読めるが、気軽に発言できるため音声が取り込みにくかった。テレワークによるテレビ会議をスムーズに行うには、はっきりした発言、聞き取りやすい音声での発言が求められるため、音声認識がしやすい。
Voice Repを使うとテレビ会議の議事録を自動作成する作業工程を削減でき生産性が向上するうえ、通話記録のテキスト化でユーザーサポートの品質向上、打ち合わせ内容のエビデンスの獲得につながる。テレワーク導入企業に加え、コールセンター運営会社、弁護士・会計士など士業から注目を集めるようになった。
テレビで紹介され売れ行きに拍車かかる
思わぬ追い風も吹いた。今年2月29日放送の日本テレビ「嵐にしやがれ」民放の人気バラエティ番組で、日本最速のタイピストと嵐の二宮和也人気アイドルグループのメンバーが早打ちタイピングで対決。二宮出演タレントの音声変換に使われたのがVoice Repだった。負けはしたものの、正確な漢字変換など信じられないパフォーマンスを上げたと評価され、売れ行きに拍車をかけた。今や主力商品に成長、6月にサポート体制を強化し品質を向上させたリニューアル版の販売を始めた。
このほか、品ぞろえの一環として顧問の会社が生産する次亜塩素酸水を昨夏から扱うようになったが、コロナ禍で今年2月ごろからウェブ注文を始めると売れるようになった。コロナ禍で打撃を受けたが、プラスマイナスを考えるとプラスだ。
学校現場のICT支援
ITサポート事業では小中学校でのICT支援業務に力を入れている。創業以来パソコン教室を運営しており、約2万人の教育経験から得られたノウハウをもとに、ITインフラ整備が進む教育現場に入り、小中学校ではパソコンやタブレット、教育ソフト、校務システムなど教職員のIT授業を当社のICT支援員がサポート。大学では高いITスキルを持った熟練スタッフが常駐形式でサーバー・システム保守やヘルプデスク業務を行っている。
コンテンツ制作にも注力
パソコンソフト・スマートフォンアプリ開発といったコンテンツ制作にも取り組む。デザイン事業では制作デザイナー(外注)を300人抱え分散発注している。主力のパソコンソフト「やるぞ!青色申告/確定申告」は13万人の顧客をもつ。毎年の税制改正はもちろん、昨年10月の消費税増税といった税制が変わるたびに売れる。消費税引き上げ効果で売り上げは倍増した。税理士に確定申告を頼むと数万円の出費になる。入力すると自動的に計算してくれるので便利だといって税理士にお金を払うのが惜しい人が買っている。
「はやわざ年賀状」「筆まめ」といったデザイン制作も行っている。年賀状のイラストは10~12月に売れ、青色申告は12~3月に売れる。繁忙期が10月から翌年3月ということになるが、それ以外の閑散期を賄う商品の仕込みが課題だ。テレワークは今後も普及するとみられるのでVoice Repもその一つだが、これは「たまたま」と考えている。
教育分野を攻める
そこで注力するのが小学校で始まったプログラミング教育。ソフトウエアの企画・開発会社Jig.jpと提携しプログラミング用教材「プログラミング教育マスター」を発売した。小学3年生以上から誰でも学べる学習キットで、ウインドウズパソコン上で小中学生のプログラミング初心者が平均3時間で新米プログラマーとして簡単なアプリを開発できるという実績をもとに制作された。プログラミングの基礎から学び、分からなくても簡単なゲームを指示された内容通りに作って「作る楽しさ」を体験。6年生になると論理的に回答していかないと進まない言語を学び、ゲームを作れるようにする。このため論理的能力も自然と身につく。初年度は1億円の売り上げを目指す。
教育は好き
ゲームが作れるようになるので、小学生は「面白くて盛り上がる。感動して『オー』と声が上がる」という。授業が終了してもゲーム作りに挑む小学生が少なくない。親も「ずっとやっている」と評価。コロナ禍で巣ごもりを余儀なくされる中、家でテレビゲームをやったりユーチューブを見たりするより、ゲームを自分で作って熱中するほうがいいからだ。つまりプログラミングの勉強になるとともに、自信がつく。子供は思い込みがすごいので「プログラマーになる」という。親も自信がつく子供を見て「やりなさい」となる。算数は得意だが嫌いな子供が多いのは面白くないからで、ゲームを作れるようになるプログラミングは面白いので喜んでやるようになる。STEM(Science=科学、Technology=技術、Engineering=工学、Mathematics=数学)教育の重要性が叫ばれる中、教育好きの一人として、それにつながるプログラミング教育に力を入れていきたい。

■ 会社概要
株式会社リオ
 本社  : 東京都千代田区内神田2-11-6喜助内神田ビル7階
 設立  : 西暦2005年12月11日
 資本金 : 3500万円
 従業員数: 6人
 事業内容: ソフトウェア開発・ITサポート事業

山下 隆浩(やました・たかひろ) 代表取締役社長
 1993年 中央大学 法学部卒
 1993年 株式会社内田洋行入社。
 2001年 株式会社ホロンを経て、西暦2007年11月より株式会社リオ代表取締役社長。東京都出身。49歳。現職  

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